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Q. 1歳8か月。週2~3回の‪一時保育は子どもに負担でしょうか? (2018.8)

  • (妊娠週数・月齢)1歳7〜11か月

1歳8か月の娘がいます。今月から行政の一時保育事業を利用し、週2~3日の仕事を始めました。保育園に送る際に大泣きはするものの、毎回、新しい言葉や遊びを覚えて帰ってきてくれるので、嬉しさもあります。しかし、園のある保育士さんには、顔を合わすたびに「‪一時保育で中途半端に預けられるのは、子どもにとっては負担」だと言われます。そもそも預けられること自体、子どもにとっては不安があるのだろうと理解していますが、そんなにも‪一時保育の利用はよくないものなのでしょうか。

回答者: 汐見稔幸先生

 保育士さんの言い分はこういうことなんです。

 1歳ぐらいのお子さんは、ようやく母子関係が安定してきて、ある程度の知恵もついてきているので、安定した母子の関係の中で行動するようになってきている。ひとりで遊んでいるときでも、そばに、たとえば母親がいてくれるから安心して遊べる。そうした時期に入ってきている。だから、一定時間、親から離れて生活すると、その安定した関係がその時間なくなるので、不安が強くなる。短い時間ならそこが楽しい場所であれば克服できるかもしれないが、長い時間母親がいない環境だと、ときどき急に不安になったりしても、母親にすがったりすることができない。我慢するしかない。楽しい遊びをしていると忘れるかもしれないが、またふと不安になったりする。でも母親がいないので我慢するしかない。

 保育園児であれば、それが毎日のことで、決まった時間になると母親が迎えに来るということが、だんだんわかってくるので、やがてそうした生活に適応して不安もうんと少なくなる。子ども自身に見通しがついてくるからだ。しかし、それが不定期に預けられ、預けられている時間も一定しないと、なかなか適応できないで、今日はどのくらい時間がたったらママが迎えに来るのかなという心配から離れられなくなりがちだ。もし、0歳児であれば、それほど時間の見通しの力もないし、母子の安定した関係もまだ十分形成されていないので、一時預かりでもそういうものだと感じて適応は早いと思われる。また3歳、4歳になっていれば、見通す力が発達しているので、しばらく遊んでいたらママが迎えに来るということが、もっとしっかりとわかる。だから不安はさほど強くない。問題は1歳児ということだ。この時期は、ある程度のことがわかってくるけれども、まだ母親との心理的一体性が強い時期なので、不安定な預けられ方は子どもに負担になる。

 おそらく件の保育士さんの言い分は以上のようなことなのだと思います。

 これは一般論としてはあたっています。実際に保育園に0歳児で入園した子が一番適応が早くしっかりしていて、1歳で入園した子が適応にもっとも時間がかかり、また不安が簡単には消えない、という研究もあります。だから一般論としては、以上のようなことは言えると思います。

 しかし、 預かっている方がどういう雰囲気で、またどのような一時保育をしているか、ということによって、子どもの負担には大きな違いが出てくることも事実です。子どもが不安になったとき、すぐに抱っこして安心させてくれるという対応ができれば、子どもが抱える不安は大きく軽減します。その保育士さんと子どもの気が合い、いつもすがってくるようであれば、母親とは違うけれども、「この人も、ぼくのこと(私のこと)を大事にしてくれるいい人だ」と感じるようになり、今述べたような不安はかなり軽減します。また、楽しいおもちゃや遊びがそこに用意されていて、家とは違う楽しさがあるということになれば、子どもはそれを楽しみにするようになり、この面でも一時保育に適応することがうまくできるようになります。

 そう考えますと、お尋ねのケースでは、実際にどういう保育をしているのかということが、判断の大事な基準になると思います。保育の内容は外からはわかりませんから、迎えに行ったとき子どもがどんな顔をしているか、楽しそうにしているか、気軽な気持ちでいるか、ということを見て判断することが大事だと思います。

 もし、いつも楽しそうな様子でいるようでしたら、そんなに気にすることはないと思います。ただ、その場合でも、できるだけ不定期ではなく、決まったペースで、 決まった時間を、というように努力をしてあげてほしいと思います。逆に、迎えに行ったとき、あまり楽しそうではなく、べったり親に甘えてくるようであれば、無理をしているのだと思いますので、そこに預けるのは考えた方がいいと思います。もしそういう場合は、仕事に戻るのをもう少し我慢して、お子さんが2歳か3歳になるまで待つことも一案です。

 もうひとつ、一時預かりで仕事を続けるしかない場合、子どもを迎えに行ったあとの家庭での生活では、上手に甘えさせてあげてほしいと思います。ゆったりと、身体接触も大事にして、ストレスを解消してあげてほしいのです。

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