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性格・親のかかわり・育て方

Q. 乱暴されてもやり返せない5歳の息子。どうやって身を守る術を教えるべき? (2018.9)

  • (妊娠週数・月齢)5歳

5歳の男児です。幼稚園には乱暴をする子が多く、先日も私が見ている前で、友だちに往復びんたをされていました。息子は逃げもせずされるがまま。つい、私は間に入り、息子に対して「なぜ、嫌だと言えないのか?」と怒ってしまいました。そして家に帰ってから、同じように子どもにびんたをして「こういうときはどうしたらいいの?」と尋ねると、私には、泣いて反撃してきて、「やめてといったのに、やめてくれないんだ」と言います。私は抱きしめながら、「痛いなら逃げる、大きな声で『痛いからやめて』と言う。それでもやめてくれなかったらやり返せ」と伝えました。ほんとはやり返して欲しくありません。けれども息子は眼瞼下垂症で、片方の目が半分開いておらず、必ずいつかイジメの対象になると思うので、自分の身は自分で守れるようになってもらいたいのです。こんな場合、こういう対応でいいのか教えてください。

回答者: 高橋惠子先生

 幼稚園での子どもの暴力は、子どもの力で解決することはできませんし、させてはいけません。「やられたらやり返せ」などと教えるのはもってのほかですし、それでは解決になりません。子どもの力では暴力は止められません。園での暴力をなくすのは、幼稚園と親の責任です。これはおとなが解決するべき問題だと考えてください。

 まず、子どもが園でびんたを受けたことを幼稚園の園長にしっかり伝えましょう。幼稚園での暴力は無くしてほしい、とはっきり考えを伝えましょう。そのうえで、園の保育を見せてほしいと頼んでください。少なくとも数日、保育の状態を見せてもらいましょう。

 幼稚園に乱暴する子が多いようなら、いろいろなときに他の子どもにも暴力が振るわれているかもしれません。幼稚園では遊びとして乱暴することが習慣化しているのかもしれません。そして、子どもの暴力があなたのお子さんに集中しているのかどうかも、気をつけて見てください。

 メモをとってよく実態を調べましょう。そして、あなたが見たことを園長に伝え、幼稚園として暴力をどう考えているか、どのように改善してもらえるか、についてよく話し合ってください。その後、幼稚園の改善に向けての努力が功を奏しているかを、1~2週間見てみましょう。

 このような一連の交渉のなかで、幼稚園の保育の姿勢がわかるでしょう。たとえば、幼稚園が見学を渋るようなら問題を解決する意志がないのだと思います。まして、暴力に気づいていない、あるいは、それを深刻に受け止めていないようなら、そのような幼稚園に、子どもを通わせる必要はないでしょう。これは親のする決断です。

 子どもを護るのは親の役割です。暴力をふるわれても仕返しできないという、あなたのお子さんの我慢強さや優しさをすばらしい性質だと誇りに思ってください。「自分の身は自分で守る」というのは、暴力でではないでしょう。お子さんが好きなことを見つけて、そのことで自信が持てることこそが、心の強さにつながると思います。その子どもにあった応援をするのが、親だと思います。