赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバー母乳とミルク・授乳

母乳とミルク・授乳

Q. 7か月の娘。病気のため母乳育児が続けられなかったのが、いまでもとてもつらく感じます。 (2018.11)

  • (妊娠週数・月齢)7か月

完全母乳か母乳中心の授乳にするつもりで、母乳マッサージをしたり食事に気をつけたりしていました。ところが1か月健診で娘に心疾患が見つかり、おっぱいからの授乳を一時中断することに。病気は快方に向かいましたが、母乳の出が悪くなり、おっぱいをくわえさせても嫌がるようになりました。結局、母乳育児はあきらめたのですが、いまでも、もっと頑張って与える努力をすべきだったのでは?と後悔し、気持ちが沈み込んで毎晩のように泣いています。どうやって気持ちの整理をつけたらいいのでしょうか?

回答者: 市川香織先生

 お子様の病気のために、母乳育児を続けられなかったことを後悔していらっしゃるのですね。
母乳は、赤ちゃんの発育発達、赤ちゃんの体を守る免疫、お母様の身体の回復、そして、母子双方の心の安定につながるスキンシップとして、心身両面から大切なものですね。それを十分わかっていらしたからこそ、お母様としては続けたい思いがあったのだろうと思います。その思いを途中で断念せざるをえなかったことは、とてもつらかったですね。

 お子様の心疾患が見つかり、そのためにおっぱいからの授乳を中断したことは、仕方のないことだったのでしょう。わずか1か月で赤ちゃんに病気が見つかったこと、お母様にとっては、とてもショックなことだったと思います。きっと母乳育児が軌道に乗る前で、授乳のタイミングや哺乳量などもまだ安定しないころだと考えられますので、お母様の精神的な苦痛は母乳の分泌にも影響したのだと思います。でもそれはお母様のせいではありません。そんなつらい思いをしながら、お子様の治療を乗り越え、よくここまで子育てしてこられたと思います。頑張りましたね。

 これまでも、お母様自身はあまり愚痴などこぼさず、一人で子育てを背負われてきたのではないでしょうか。母乳をもっと頑張りたかった、あげたかったけどあきらめざるをえなかった、いま言っても仕方ないから言わないで我慢してきた……そんな思いがあるのではないでしょうか。我慢しなくていいですよ。誰かに、打ち明けてみませんか。子育てに関する電話相談など、匿名で話を聞いてくれるところはいかがでしょうか。また、直接会って話を聞いてほしい、そんな場合は、保健センターの保健師でもかまいません。誰かに、自分の思っていたことを打ち明け、これまで背負ってきたものを少しおろしてみませんか。
 今回、このように想いを打ち明けていただけたこと、嬉しく思います。同じような境遇のお母様がきっといらして、共感されていることと思います。

 いま7か月になったお子様を見てください。きっと、お母様に向かって笑顔を見せてくれていることでしょう。ここまで大きく育って、たくさん反応してくれて、「ママありがとう」とほほ笑んでくれています。母乳だけがすべてではありません。それ以上に愛情をもってお子様に接しているお母様がいることそのものが、お子様にとっては大切なのだと思います。お子様にとってかけがえのないものは、母乳ではなくお母様ご自身です。自信をもってくださいね。