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性格・親のかかわり・育て方

Q. 4歳の息子と1歳の娘を、うまく遊ばせられません。 (2018.12)

  • (妊娠週数・月齢)1歳0か月
  • (妊娠週数・月齢)4歳

 4歳の息子と1歳の娘がいます。息子が幼稚園から帰宅してから遊ばせる際、きょうだいをうまく遊ばせられません。息子はお絵かきや工作がやりたいのですが、リビングの低いテーブルで遊びだすと、娘がクレヨンを口に入れたり、画用紙を奪ったりして邪魔をします。そこで、息子はダイニングのテーブルに移動。私と一緒に遊びたがるのですが、娘をリビングに置いたまま行くと今度は娘が泣きます。抱っこしてダイニングのテーブルにつくと、娘はまた息子の邪魔をします。外遊びにいっても、娘はまだ歩けないので、飽きてぐずり、早々に帰ることに。こんな状況できょうだい関係が悪くならないか心配ですし、きょうだいで仲よく遊べないことは、なにか精神的な成長に際してマイナスになったりするものでしょうか? うまく遊ばせる方法はあるでしょうか。

回答者: 高橋惠子先生

 きょうだいは、子どもが「子どもとどのようにつきあえばよいか」を経験する絶好の機会をつくります。きょうだいに「年齢差があること」も成長にとって貴重なことです。ご質問のようなときに親がするべきことは、できるだけ「きょうだいのつき合いに介入しないこと」です。親が遊んであげるなどと思わないことです。子どもたちの成長の機会を奪わないようにしましょう。

 まず、知っておくべきことは、「おとなと子ども」のつきあいと「子どもと子ども」のつきあいは、異なるということです。きょうだいはこの「子どもと子ども」のつきあいを経験できる大切なものです。
おとなは子どもの気持ちを優先して、子どものやりたいことの多くを尊重してやらせることでしょう。そして、子どもに教えたり、面倒をみたりします。しかし、子どもと子どもの場合には、それぞれが自分を優先したいと望みますので、“衝突”が起こります。この衝突が、子どもを育てるのです。

 物を奪いあったり、けんかが起こったりすることもあるでしょう。すぐに仲裁などせずに、子どもたちにまかせましょう。兄は幼い妹に邪魔をされたくなければ、知恵を絞らなくてはなりません。泣かせないようにいろいろ工夫するでしょう。自分ができることを妹に見せたり、遊んであげようと考えたりもします。こうして、幼い子の面倒をみる楽しさも体験します。そして、妹は兄のすることを感心して見たり、時にはまねたりもすることでしょう。なんでもできるお兄ちゃんを「すごい!」と思ったりもするでしょう。そして、ふたりは自分たちの世界をつくって笑いあったりもすることでしょう。こうして、もめながら、助け合いながら、きょうだいは育つのです。

 これらはすべて、きょうだいがいればこそできる経験です。親が口や手を出す必要はありません。まず、安全を確保できる場所(危険なものは片づけましょう)、口に入らない大きさの玩具、なめても安全な玩具や文具などを用意しましょう。そして、お母さんは横目で危ないことをしていないかを確かめる程度にして、自分の仕事をするのがよいと思います。

 しかし、きょうだいには年齢差がありますので、年上の子どもは幼い妹に邪魔されたくないと思うこともあるでしょうし、幼い妹も年相応の遊びをしたいと思うこともありましょう。それには、ふたりがそれぞれ自分らしく遊ぶ時間を分けるようにしてはいかがでしょう。たとえば、兄が幼稚園で過ごす時間は妹の、そして、妹がお昼寝をする時間は兄の時間だと考えて、それぞれに相応しいおもちゃや道具を用意すればよいでしょう。そして、きょうだいはその時に母親を独占できるとも考えてはいかがでしょう。

 そして、大事なことは、子どもは“ひとり遊び”もしたいということです。子どもが何かに熱中しているときには、ひとりでやらせておきましょう。そして、母親も自分のための作業をしましょう。お母さんが“お仕事”をして見せることは、子どものひとり遊びを励ますことになるでしょう。こうして子どもたちは育ちます。母親も自分育てをしましょう。