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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠糖尿病と診断されて食事療法をしていますが、体調がよくありません。 (2019.2)

アメリカ在住の妊婦です。100gブドウ糖負荷試験をしたら、食前以外の1時間、2時間、3時間すべて基準値以上で妊娠糖尿病の診断を受けました。ドクターから「No sugar, No rice, No noodles, No fruit, No potato」と、糖質全カットを言い渡され、朝晩の食前の血糖値計測を指示されました。現在、食事療法のみとなっています。糖質をカットしすぎているのか、朝の血糖値が60となり、体調の悪い日が続いています。夕食前の計測が気になり、昼食後も何も口にできません。自分なりに調べてみたところ、糖質全カットの食事療法の情報はなく、このままのやり方でいいのか、不安になってきました。日本でもこのようなやり方で治療するのでしょうか?

回答者: 安達知子先生

 本来は糖尿病ではないのに、妊娠中にのみ糖代謝異常を示すことがあり、母子共にリスクを生じるため、すべての妊産婦に妊娠中に検査をして、妊娠糖尿病であるか否かの診断をします。その診断方法は、米国と日本では多少異なっています。今回のブドウ糖負荷試験で、食前以外の血糖値がすべて基準値以上であるとのことで、より高度の糖代謝異常と考えられたのか、ドクターからかなり厳しい食事療法を指示されています。

 米国では日本と異なり、妊娠糖尿病として特別な食事療法を必要とはしていませんが、母体や胎児発育の状況などをみて個別に設定するようです。しかし、「米国糖尿病学会診断治療指針2019」によると、食事は、Dietary Reference Intakes (DRI)と呼ばれるガイダンスに従って計画されるべきとされており、これによると、最低の摂取量として、炭水化物145g、タンパク質71g、繊維28gがリコメンドされております。したがって、炭水化物なしということはなく、このような低糖質管理を受けると体調不良になるのは当然と考えられます。

 血糖コントロールの指標には、血糖値以外にも、ヘモグロビンA1cやグリコアルブミンなど、いくつかのものがあり、適切な食事と運動で管理します。これらによっても管理できないときはインスリン注射を導入します。以上を参考に、担当医とお話しするか、より専門医を受診されてください。