家族関係・夫婦・ママ友
Q. 妻が2歳10か月の娘に声を荒らげて怒ります。 (2019.8)
- (妊娠週数・月齢)2歳
2歳10か月の娘に対し、妻が1日に何度も声を荒げて怒っています。しつけのためだと理解できる内容もあるのですが、手を洗った水を洗面台に落とすなとか、洗い物を増やすな等、2歳児に要求するレベルを超えていると感じるものもあります。娘も母親の顔色を伺ったり、脈絡なく「ママ大好き!」などと言ってみたり、明らかに不安定な様子です。「あまり怒り過ぎないように」と私が言うと、逆ギレされます。将来、子どもの人格形成にどのような影響が出てくるでしょうか?とても不安に感じます。父親として、夫として、私はどのように対応するのがよいのでしょう?
回答者: 高橋惠子先生
いただいた文面からのみの判断になりますが、回答してみます。子どもが幸せな日々を過ごせるようにする義務が親にはあります。2歳児が母親に怯え顔色をうかがうような状況は早く改善しなければなりません。自然な笑顔がたくさん見られることが、子どもの幸福度を示すと考えてください。この回答をぜひご夫婦で読み、問題の解決に向けて一刻も早く行動してください。文面では、あなたは妻の行動を「母親の問題」ととらえておいでのようですが、「親の問題」と考えてほしいと思います。あなたが妻をこのような状態に追い込んでいることはないか、という点検も必要だと思います。
「虐待」を疑ってみる
文面に見る母親の行動・様子は、「虐待」に相当すると思われます。体罰はなくても、しつけのためだとして大声で叱ったり、過度の要求をしたり、酷い言葉を投げかけたり、あるいは、必要な面倒をみないのは「虐待」をしていることになります。そして、このような妻の行動をめぐって夫婦が争ったりすれば、それを見る子どもに恐怖心を引き起こします。これらの母親、そして両親の行動が子どもの心に悪い影響を及ぼすことは、多くの証拠によって明らかにされています。一刻も早く手を打ってほしいと考えます。
子どもと母親を引き離す
問題が解決されるまで、一時的に子どもと母親を引き離すことを考えてはどうでしょう。たとえば、祖父母宅に預けるなどの支援を受けることができるとよいと思います。あるいは、子どもを一時的に避難させる公的な施設を利用することもできます。お住まいの市区町村の「子育て支援センター」の窓口に、あるいは、「児童相談所全国共通ダイヤル」189番に、電話して相談するとよいでしょう。全国的に子どもの虐待を防止するオレンジリボン運動が展開されていますので、お近くのNPO法人の相談窓口を探すのもよいと思います。
両親が専門家の支援を受ける
母親はあなたの注意に逆ギレするようですから、夫婦だけで話し合うとか、妻の気持ちを聞き出すのは無理な状態だと推察されます。母親自身も子どもに強くあたってしまうことに、きっと苦しんでおいででしょう。したがって、夫婦ともに専門家の支援を受けることが近道です。上記のセンターなどに電話して、子どもの処遇と一緒に、夫婦の問題についても相談してみるのがよいと思います。
「虐待」にはいろいろな原因があると指摘されています。なぜ、妻が子どもを虐待したり、夫の忠告を受けつけなくなってしまったのか、夫婦が一緒に取り組むべき問題です。妻には、単に子育てのことだけではなく、自分の生活そのものについての不満がたまっていることも考えられます。そして、妻をそのようにしている夫の責任も考えなくてはなりません。
このような場合、夫婦ともそれぞれが専門家によるカウンセリングを受けることが有効です。カウンセリングというと躊躇する人が少なくありませんが、しっかり話を聞いてもらい、自分と向き合い、自分の問題を整理するよい機会になるはずです。