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妊娠中の気がかり(タバコ・アルコール・薬・レントゲンなど)

Q. 体外受精の予定です。夫が陰部にステロイド剤を使用しています。 (2019.8)

夫が長年放置した陰嚢湿疹で受診したところ、サレックスという強いステロイド剤が処方され、それを陰嚢に塗っています。通常、陰部へのステロイドはあまり処方されないようですが、長年放置して状態がひどかったようで、3本塗り終わったら、再受診するようにと言われたそうです。体外受精を考えており、これから採卵予定ですが、夫の陰部へのステロイドは、精子に何か影響ありますでしょうか?もし、ステロイド使用時の受精卵で妊娠した場合、胎児に影響が少しでもある可能性があるのであれば、時期を遅らせようと思っています。

回答者: 安達知子先生

 副腎皮質ステロイド剤の外用では、一般にステロイドは上皮内に留まり、皮下に移行して下部にある臓器に直接影響することはありません。真皮に達して血中に吸収されて全身を回り、そこからの影響になります。強い作用のステロイド剤でも、血中への吸収はごくわずかで心配はないです。脳下垂体からの精巣へのホルモン調整系に影響する可能性はゼロではありませんが、精子の数(造精機能:精子を造る機能)にもほとんど影響しないと考えられ、仮にわずかに精子数が減少しても、体外受精や顕微授精では、まったく問題にはなりません。また、精子の質や運動性、受精後の奇形の発生などには影響しないと考えてよいでしょう。薬剤の添付文書にも、「避妊が必要」の記載はありません。したがって、体外受精の時期を延期する必要はないでしょう。