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歯とお口のケア

Q. 9か月の娘。歯ぐきが白くプニプニしています。 (2019.11)

  • (妊娠週数・月齢)9か月

9か月になる娘の歯ぐきのことでご相談です。下の前歯2本が生えているのですが、右側の歯の近くの歯ぐきが白くなってプニプニしています。歯磨きは離乳食後などは、歯ブラシをカミカミさせているだけですが、寝る前にはしっかり磨いています。ばい菌に感染してそうなっているのか、歯が生えてくるところなのか、病院に行くべきかどうか悩んでいます。

回答者: 井上美津子先生

 乳歯が生える前の歯ぐきにできた白いかたまり状のものということであれば、上皮真珠が疑われます。上皮真珠でしたら、病的なものではなく、数週間で自然に消失しますので、様子をみていけばよいでしょう。

 9か月のお子さんの歯ぐきにできた白いプニプニするかたまり。何なのか、どう対処すればよいのか、ご心配でしょうね。歯ぐきの傷などから細菌が入った場合は、通常は歯ぐきが赤く腫れて、それから膿をもってくることもありますが、白くプニプニとはならないでしょう。 乳歯が生える直前には、その刺激で歯ぐきが膨隆する(膨らんで盛り上がる)ことも、時々起こります(萌出のう胞)。この場合は、歯ぐきと同じ色をした膨らみの下に透明の内容液が溜まって、やや透明感のある膨らみに見えたり、のう胞内で出血が起こると暗紫色に見えることもあります。ご質問の歯ぐきの状態とは異なりますが、この場合も歯が生えてくれば、自然に消失することが多いようです。

 上皮真珠は、乳歯の歯の芽(歯胚)が顎の骨の中で形成されるときに使われた組織の一部が、うまく吸収されずに残ってしまい、それが歯ぐきの方に自然排出されてきたものです。白いかたまり状の膨らみとして、歯が生える前の歯ぐきに生じるため、乳歯が生えてきたかと心配して来院される保護者もいらっしゃいます。前歯の歯ぐきに見られることが多く、同時に何か所にも生じることがあります。通常は、乳歯萌出開始前(生後6か月頃まで)にみられることが多いものですが、その後も乳歯が生える前の歯ぐきに生じることがあります。上皮真珠はとくに病的なものではなく、痛みなどの症状を伴うものでもなく、また数週間で自然に排出される(消失する)ものですので、経過をみていけばよいでしょう。

 ただし、2~3週間以上様子をみても消失しなかったり、徐々に膨らみが大きくなる、子どもが歯磨きや離乳食を嫌がるようになる(痛みなどの症状が疑われる)などの場合は、歯科受診(できれば小児歯科)をお勧めします。