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気になる子どものようす

Q. 2歳の娘。私の行動を逐一父親に報告します。どのように対応すべきでしょうか? (2020.2)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳10か月の娘の行動が気になります。最近、「さっき、ママが○○してたよ」「ママが○○って言ってたよ」と、私の言動をいちいち父親に報告するようになりました。祖父母や園の先生など、父親以外にも同じように報告しているのかどうかはわかりませんが、まるで監視されているように感じてしまい、娘に対してイライラしてしまいます。なぜ、このような行動を取るのでしょうか? その背景となる子どもの心理状態や、どのように対応すればいいのかを教えていただきたいです。

回答者: 高橋惠子先生

子どもの発達
 子どもの成長には驚くばかりです。3歳近くになると母親の言動をよく見て記憶し、それを言葉で、しかも、その場にいなかった人に報告することができるのですから。事柄の理解力、記憶力、言語能力の成長はたいしたものです。「背景となる心理状態」を問われれば、それは発達が順調だということです。喜んであげてください。
 このような子どもの行動を「告げ口」だと考えるのは適当ではありません。子どもは自分ができるようになった能力を使っているのです。父親がそのような子どもの報告に関心を持ったり、喜んでみせたりするので、子どもは報告をするのでしょう。このような会話が子どもと父親が仲よくするきっかけをつくっているのだと考えられます。母親はしばらく見守っていましょう。

子どもに平和な環境
 子どもをとりまく環境を整えるのは、母親を含めすべてのおとなの責任です。子どもが順調に成長するためには、子どもの気持ちが安定し、平和で、幸せを感じられる環境が必要です。むろん、幼い子どもに家庭のすべての事情を理解させるのは難しいことですし、必要とは思いませんが、子どもが不安になったり、心配したりせずにすむような環境を用意できているかどうか、点検してみてはいかがでしょう。
 米国の研究者が面白い事実を報告しています。母親が留守中の父親のことを子どもにポジティブに語る(たとえば、ママはパパが大好きなの、パパはお仕事をがんばっているのよ、パパはよい人よ、など)ほど、子どもは父親が好きになるというのです。外で働いている父親と子どもの接触時間は少ないのですが、父親が不在の間の母親の言葉が、父子の関係を強めているというのです。このような状況に置かれれば、子どもは両親を好きになり、平和な気持ちになることでしょう。

自分にポジティブな母親
 他人にポジティブになるためには、自分自身にポジティブであることが必須だという研究があります。「ママが○○してたよ」「ママが○○って言ってたよ」と子どもが報告することを喜ぶためには、母親がその○○に自信が持てているかが鍵になります。自信があることなら、○○と子どもが誰かに報告するのは、子どもが認めてくれたのだと、誇らしく思えるのではありませんか。母親であっても自分が夢中になれる、誇れる“何か”を持つことが重要だと考えます。