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妊娠中の気がかり(生活)

Q. 妊娠30週目。首にへその緒が巻いている状態で逆子体操をしても、よいでしょうか? (2020.2)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠8か月 (28〜31週)

海外在住の妊娠30週目の妊婦です。今日のエコー健診の結果、赤ちゃんが逆子になっていたうえ、首にへその緒が巻きついていました。その場で技師に尋ねてみたのですが、赤ちゃんの心音には問題がないそうで、詳しくは次回の健診で主治医が話すとのことでした。逆子を直したいのですが、首にへその緒が巻きついているままで逆子体操を行ってもよいのかどうか、迷っています。また、骨盤位がLSAと表示されているのですが、寝る姿勢についても、どうすればよいのか教えてください。

回答者: 市川香織先生

 妊娠30週でおなかの赤ちゃんが逆子(骨盤位)になっていること、さらに赤ちゃんの首にへその緒が巻き付いていることがエコーでわかったのですね。この時期に逆子になってしまうことはよくあることです。これから出産までの間に自然に元に戻ることもありますが、逆子が直らないままの場合もあります。

また、赤ちゃんのへその緒が首に巻(き付)いていることもエコーで見えたようですが、これもきつく巻き付いていない限り、赤ちゃんが動いてほどけたり、また巻き付いたりと変化する可能性は高いです。
どちらも流動的な状況なので、これからの経過を見ていく必要がありますね。

 ただ現在は、出産の間際になっても逆子の位置のまま変わっていなければ、自然に陣痛を待って経腟出産をするより、最初から帝王切開になる場合が多くなっています。それは日本であっても海外であっても同じ状況です。そう考えると、いまのうちに逆子体操をして、赤ちゃんを頭位に直しておきたいという気持ちもよくわかります。

 自分でできる逆子体操では、無理に外から赤ちゃんを回すということはしないので、胎盤の一部がはがれたり、赤ちゃんが苦しくなったりという大きなリスクはありませんが、場合によってはへその緒を圧迫する体勢になってしまうかもしれません。逆子体操をするのであれば、医師の診察を待ってからがよいでしょう。

 逆子体操のポイントは、骨盤の中に入り込んでいる赤ちゃんのお尻部分を上に戻すことです。ですから、お母様が自分のお尻を高くする姿勢をとってしばらくキープすることになりますが、妊娠中は体も重く結構きつい姿勢になります。気分が悪くなったり、おなかの張りや痛みを感じたりしたら、すぐにやめるようにしましょう。

 寝る姿勢を変えることでも、赤ちゃんの回転を期待することができます。胎位はLSAということですので、いま、赤ちゃんは母体の左側に赤ちゃんの背中がきている姿勢を取っています。この場合、お母様は右側を下にして横になるとよいでしょう。

 逆子体操にしても、横向きの休み方にしても、おなかの中に赤ちゃんが動けるだけの余裕がないと、逆子を直すのはなかなか難しいものです。特におなかが張りやすいと、その余裕は少なくなってしまいます。まずはお母様自身がゆったりと体も心もリラックスできる状況が必要です。不安やイライラ、ストレスなどは体をこわばらせてしまうもの。そういうものから解放されること、体を冷やさないこと、お母様が気持ちいいなという環境をつくることが何より大切です。そのうえで、おなかの赤ちゃんと対話しながら、「一番居心地のいい体勢になってね」というお願いもしてみましょう。

 今後の方針や可能性なども含めて、心配なことをしっかりと医師に確認していきましょう。