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性格・親のかかわり・育て方

Q. 2歳4か月で自分の行動を律する娘。どう対応すればよいでしょう? (2020.5)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳4か月になる一人っ子の娘は、言葉で意思疎通できるようになったころから「歯磨きやつめ切りのとき泣かない」と自分で目標を立てるようになり、達成できないと落ち込んだりします。また週末は、起床から就寝までの行動計画を立てて親に伝え、それに沿って行動するようになりました。自分の行動を律して一喜一憂をしている娘をみると、「しっかりしている」と思う反面、年齢以上の行動に見え「2歳でここまでしなくても」とも思います。親も保育園の先生も、娘が泣くことを叱ったりしたことはありませんし、ましてや計画を立てるようにと言ったこともないので、娘の行動に戸惑っています。2歳児によくある行動ならば暖かく見守りたいと思いますが、彼女のもともとの敏感さがこのような行動として現れているのか、それとも親がそうさせてしまうような言動をしたのか…と気になっています。親はどのような態度で娘の行動を受け止めていけばよいのでしょうか?一緒に一喜一憂するとプレッシャーになりそうですし、ほどほどにするように言うと意欲に水をさしたことになり混乱させないかと悩んでいます。

回答者: 高橋惠子先生

 これは、2歳過ぎの幼児にみられる「こだわり行動」のひとつだと思いますので、心配はいりません。

 2歳ごろになると子どもは「自分は〇〇をしたい」「こうするのが自分だ」というように、“行動の主人公”としての自己を明確に持つようになります。子どもは自分が主人公だと意識し、自分の行動を選びます。子どもなりにそうする理由があるかもしれません。しかし、2歳児はまだ言語の発達が不充分なので、聞かれてもなぜそうしたいのかをうまく説明することはできません。無理に理由を尋ねると「どうしても」「知らない」というだけです。そして、行動を無理に阻止すると「いやだ」と拒否します。この拒否が激しいと、「反抗期」だとか「イヤイヤ期」なのだとされることになります。「こだわり行動」はこの時期の子どもの自己の成長の証なのです。

 たしかに、2歳くらいになると、おとなからみると奇異とも思われる「こだわり行動」を見せる子どもが少なくありません。持ち物や行動について、子どもなりのこだわりを主張します。たとえば、自分が決めた洋服しか着ないと言う、お気に入りの紙切れ(パンフレットなどが多い)をどこにでも持って行きたがる、改札でスイカ(Suica)カードは必ず自分がタッチすると決めている、エレベーターのボタンは自分が押すと言う、スーパー・マーケットでは同じルートで買い物するように主張する、医院では絶対に泣かないと決めている、などです。

 2歳児が「泣かない」という目標をたてたり、休日の行動の順番を決めたりするのは、年齢以上のことだと心配することはありません。2歳児だからこそ行動のスクリプト(行動の順番についての筋書き)が作れるようになったのです。順調な発達を喜びましょう。もしも、2歳児なのにがんばりすぎではないかと思われるようでしたら、親は子どもの「こだわり行動」に関心がないようにふるまうことです。もしも爪切り時に泣いてしまったら、だまって抱きしめてあげましょう。休日の行動計画は親子の楽しい行動によって意図的に破ってみてはどうでしょう。親子で寝坊してしまうとか、いつもより少し長い散歩をするとか、就寝時の読み聞かせのお話をひとつおまけするとか、などをしてみてはどうでしょう。楽しいスケジュール破りが、親子の新しい関係をきっと広げると思います。