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妊娠中の気がかり(タバコ・アルコール・薬・レントゲンなど)

Q. 妊娠8週目です。うがい薬を1日1~2回使用していました。 (2021.3)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠3か月 (8〜11週)

現在妊娠8週です。コロナ対策のため、外出した際は、うがい薬を1日1~2回使用していました。使用していたうがい薬は、ポビドンヨードが含まれているものです。妊娠中にヨードの入ったうがい薬を使用すると、胎児に影響があるという記事をいくつも目にして、とても不安になっています。どのような影響があるのでしょうか。また、妊娠中でも使えるうがい薬についても教えてください。

回答者: 安達知子先生

 胎児の発達、とくに脳神経系の発達に甲状腺ホルモンは不可欠です。しかし、妊娠初期は、胎児自身の甲状腺はまだ未熟で、妊娠18~20週以降から、ようやく胎児は自分の甲状腺ホルモンを分泌し始めます。つまり、妊娠18〜20週以前の胎児は母体からの甲状腺ホルモンに依存して、発育しています。ヨード(ヨウ素)は甲状腺ホルモンの原料で、不足してはいけないのですが、過剰に摂取すると逆に甲状腺機能が抑制され、甲状腺ホルモンの産生は低下します。うがい薬のポビドンヨードにはヨードが含まれています。うっかり妊娠中にこのうがい薬を使用する方はしばしば見受けられます。しかし、うがい薬を外出した際に1日1から2回使用する程度では、通常、甲状腺機能の低下はほとんど起きません。甲状腺の手術などを受けていて甲状腺組織が少ない方や、もともと甲状腺機能低下症の疾患をもつ方は、ヨードの含まれるうがい薬の長期頻回使用で、甲状腺ホルモンの産生が低下する可能性はあります。なお、妊娠中期以降には、ヨードを過剰摂取することによって、胎盤を介して直接胎児の甲状腺の機能低下を引き起こす可能性があります。
今後はこのうがい薬は使用しないようにしてください。妊娠中のうがいには、アズレンが主成分の青色の液体の薬を使用してください。