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気になる子どものようす

Q. 1歳1か月の男児。指吸いでつめが変形してきました。 (2021.4)

  • (妊娠週数・月齢)1歳1か月

1歳1か月の息子が、指吸いをやめません。眠いとき、少し不安なときだけでなく、しょっちゅう指を吸っています。指を吸いすぎて血豆ができることもあり、ずっと心配していたのですが、最近になって、よく吸う2本の指のつめが変形していることに気がつきました。つめが反りぎみになっており、つめと皮膚のくっついている部分も小さくなっていてとても心配しています。市販の指しゃぶり防止クリームを塗ってみましたが、苦くて嫌がるものの指吸いはやめません。おしゃぶりを与えてみましたがそれも嫌がり、今後のことが心配です。どうすればやめさせられるでしょうか?

回答者: 横田俊一郎先生

 1歳1か月の子どもが指しゃぶりをするのは、正常な発達の一課程です。口の中にものを入れることは、ものを確かめる大事な手段ですし、口、手、目などの機能を発達させるためにどうしても必要なものです。このまま放っておくと大きくなってもいつまでも指しゃぶりをするのではないか…とお母さん方は心配しますが、この時期にはほぼすべての赤ちゃんが指しゃぶりをしていますし、3歳児でも10~20%の子どもが指しゃぶりをしているとされています。

 歯並びへの影響がよく心配されましたが、まだ歯の生え揃わないいまの状態ではそれも心配ありません。指にタコや潰瘍ができたり、爪の変形が起きたりすることもありますが、これも指しゃぶりをやめれば治るものです。指の変化や爪の変形が生涯続くようなことはまずありませんから、1歳1か月という時点では心配しすぎない方がよいと思います。

 指しゃぶりは「ヒマなとき」や「眠いとき」「不安なとき」に出ていることが多いものです。そのようなときには、何か好きなものを手に持たせてあげる、手を使った遊びに誘ってあげる、抱いてあやしてあげるなどの働きかけをすることなどが役立つことがあります。また、下に子どもが生まれた、引っ越したばかりなど、子どもがさみしい思いをしているという原因に心当たりがある場合には、「さみしい」「不安」の心の杖として「指しゃぶり」が機能している場合があります。そのようなときには、さりげなく手を使う活動に誘って、短い時間でもかまいませんので、抱っこしたり添い寝をしたりなど、スキンシップを増やしてあげるよう心掛けるとよいでしょう。

 おしゃぶりは指しゃぶりより長時間使うことが多いので、1歳半を過ぎても使っていると歯並びやかみ合わせへの影響が出てきやすいです。また、母乳で育っている赤ちゃんでは哺乳量や哺乳時間を減らすため、母乳育児を推進している団体からはおしゃぶりを使わないよう勧められています。おしゃぶりはある意味での「口封じ」で、赤ちゃんの素直な感情をお母さんと共有することが妨げられるとも考えられます。状況によって使うのは仕方ありませんが、長期間は使わない方がよいでしょう。

 指しゃぶり防止のマニュキアもインターネットを調べるとたくさん売られています。確かに一部では効果もありそうで、3歳以上の幼児では試してみる価値はあると思いますが、1歳1か月の時点では使わない方がよいと考えます。