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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠19週。つわりの時期に海苔や昆布を食べていました。 (2021.5)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠5か月 (16〜19週)

妊娠19週の妊婦です。妊娠中に昆布などの海藻類を食べすぎるとよくないと最近になって知りました。つわりの時期に白米が苦手になり、海苔の佃煮をご飯にのせて、週2~3回、朝食として1か月ぐらい食べていました。また、昼のお弁当では、ごま昆布をご飯にのせて食べていました。これは1か月に8回ほどです。昆布やわかめなど、摂取しすぎるとよくないと言われているものは、今後は食べないようにしようと思っていますが、ほかに気をつけるといいことがあれば教えてください。

回答者: 太田百合子先生

 昆布、わかめ、焼きのり、ひじきなどに多く含まれるヨウ素は、体内で甲状腺ホルモンを合成するために欠かせないものです。不足すると流産や死産のリスクが高まること、過剰になると赤ちゃんの甲状腺機能が低下することが報告されています。海藻以外にヨウ素が含まれる食品には、魚介類、肉類(レバー、ホルモンなど)、加工食品の昆布エキス、ヨウ素入りのサプリメントなどがあります。ヨウ素が多く含まれるといわれる昆布だしは、1日汁椀1杯程度、刻み昆布で1g程度が摂取の目安です。

 このほか取りすぎに注意したい栄養素は、
ビタミンA:妊娠初期の過剰摂取からは、赤ちゃんの形態異常発生の報告があります。レバーやうなぎなどは週1回程度に控えます。
ヒ素:健康被害を及ぼす成分です。ヒ素が含まれるひじきは1日5g×週2回程度が目安です。
水銀:赤ちゃんの神経系の発達に影響があります。一部の魚には水銀が含まれているので、同じ魚ばかり連続して食べないように心がけます。
ほかにも赤ちゃんの発育が阻害される心配があるものとしては、アルコール、カフェインがあるので、多量摂取にならないように表示を見て選んでください。また、妊娠期は食中毒にかかりやすいといわれているので、肉、魚、卵などは、生のままや火の通っていない状態では食べないようにします。

 不足しがちな栄養素とそれが多く含まれる食品を紹介します。
葉酸:赤ちゃんの神経管閉鎖障害発症のリスクを減らすために、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、いちごなどの果物、枝豆、納豆などを意識して食べます。
鉄:赤ちゃんの成長、母体の血液量の増加に対応するために、レバー(初期は控える)、赤身肉、卵、納豆などの大豆製品、貝類、小松菜などから補います。
カルシウム:骨や歯などを作るために、牛乳・ヨーグルト、大豆製品、小魚類、青菜類、海藻などの摂取を強化します。
ビタミンD:カルシウムの吸収・沈着のために、魚類、干ししいたけなどの摂取を意識します。
このように、母と胎児の健康のためにいろいろな食品を組み合わせて、バランスのとれた食事を心がけてください。