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妊娠中の気がかり(タバコ・アルコール・薬・レントゲンなど)

Q. 夫が新型コロナワクチンを接種。妊活は控えるべきでしょうか? (2021.5)

アメリカに単身赴任している主人が先日、ジョンソン・エンド・ジョンソンのコロナワクチンを接種しました。来月に帰国予定です。帰国してから妊活をしたいのですが、数か月は避妊しなければいけませんか? ジョンソン・エンド・ジョンソンに問い合わせをしましたが、受け付けてもらえませんでした。主人がアメリカで問い合わせをできればよいのですが、英語が堪能でなく難しいです。コロナワクチンには未知の部分があることは承知しておりますが、妊娠への影響について、情報があれば教えてください。

回答者: 安達知子先生

 結論から申し上げると、妊活を控える必要はありません。

 ワクチンには、ポリオ、麻しん、風しんなどの弱毒生ワクチン(病原性を大幅に減弱させた微生物から作製したもの)やインフルエンザ、日本脳炎、百日咳などの不活化ワクチン(微生物を不活化して生体内で増殖できない状況にして作製したもの)、ヒトパピローマウイルスワクチンのようにウイルス本体(DNA)を持たない人工のウイルス外観粒子を抗原として作製したワクチンなどがあります。新型コロナワクチンは、現在数種ありますが、ウイルス本体を使用して作製しているものではない、新しいタイプのもので、当然生ワクチンではありません。このうち、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンは、1回の投与で高い予防効果が得られるワクチンとして普及してきています。

 生ワクチンは、妊娠中の女性には接種を控えていただくことになりますし、接種してから避妊期間を設けて、風しんなどは2か月、麻しんは4週間など妊娠を控えていただくことになります。不活化ワクチンは原則として、有益性が感染のリスクを上回る場合は妊産婦にも接種されることもあり、また、インフルエンザワクチンなどは、むしろ妊婦への接種はどの時期においても推奨されています。しかし、生ワクチンでさえも、男性が接種しても避妊期間を設ける必要はありません。したがって、新型コロナワクチンを男性が接種したのちに妊活を控える必要はありません。