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母乳とミルク・授乳

Q. おっぱいへのこだわりが強い2歳の娘。卒乳を考えています。 (2021.6)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳女児の母です。卒乳について悩んでいます。はじめは「自然にやめられるのを待つ」と思っていたのですが、夜中の頻回な授乳、授乳中に私の皮膚を引っかくといったことからのストレスなどで、1歳ころから卒乳を考えるように。そして1歳半ころに一度試したのですが、娘のギャン泣きに私が耐えきれず、そのときはあきらめました。それからは、おっぱいは昼寝のときと就寝時、夜中だけにしました。「おっぱいバイバイ」の絵本を一緒に読むなど工夫はしていますが、やめる気配がありません。かえっておっぱいへの執着が強くなったように思います。ついつい娘に強くあたってしまうこともあり、自己嫌悪に陥ります。娘が欲しがるのだからと自然にやめるのを待つことも考えつつ、母がストレスを感じながら授乳することが、娘にとってよいことなのかとも考えます。大泣きさせないで、やめさせられる方法はないでしょうか。

回答者: 市川香織先生

 2歳のお子様の卒乳で悩んでいらっしゃるのですね。いまは昼寝、就寝時、夜中だけおっぱいをあげているということなので、眠りにつくための授乳と夜泣き予防ということになるでしょうか。お母様にとっては、夜間の頻回授乳という身体的な負担、一度卒乳しようとしながら断念したことで卒乳できるのかどうかという不安もあるなかで、お子様がかえっておっぱいへの執着を強めているような様子にストレスを感じていらっしゃるのですね。

 授乳はお子様とのコミュニケーションです。お母様がストレスを感じ、がまんしながら授乳するのは、お互いにとってあまりよいコミュニケーションとはいえません。もう一度卒乳にトライしてみてはいかがでしょうか。「おっぱいバイバイ」の絵本を読んだりしているということですが、お子様にとってはまだ他人事なのだと思います。よく行われることですが、卒乳する日を決めてカレンダーに印をつけ、数週間前からお子様に言って聞かせます。カレンダーに書き込むことは、お母様自身の決心を固めるのにも役立ちますし、お子様にもカレンダーを見せよく言って聞かせることで、「自分たち親子がこれからその日に向かって準備するんだ」ということを、子どもなりに理解することでしょう。お互いにとって大きなイベントですね。

 卒乳する日は、おっぱいという最強の入眠儀式がなくなることで、お子様は不安になり泣くでしょう。でもお互いに決めたことですし、卒乳というイベントに向けて徐々に心の準備を積んできたので、お子様も納得してくれるのではないでしょうか。今後は、おっぱいではなく、別のスキンシップで眠りにつくようにしましょう。たとえば、手遊びやマッサージ、背中をトントンしたり、抱っこしたりといったおっぱいの代わりのスキンシップをたっぷりとりましょう。絵本の読み聞かせなどもよいでしょう。夜中に途中で起きたときのために、手元に水分を置いておき、欲しがったらすぐにあげられるように準備しておくのも大切ですね。
 卒乳後は、夜間の睡眠時間が延びてぐっすり眠り、朝の目覚めも早くなることでしょう。生活リズムも作っていけるとよいですね。

 ただし、おっぱいへの執着があまりに強い場合は、「お母様=おっぱい」とインプットされているので、お母様と一緒の場合は泣き止んでくれないかもしれません。その場合、お父様あるいは祖父母などご家族の協力は欠かせません。お母様以外の家族に抱っこしてもらい、泣き止むまで付き合ってもらいましょう。みんなで協働して、数日かけて対応できる日に卒乳を計画するしかありません。おっぱい以外でもお子様が安心して眠りにつける環境を大人が作っていくことが大切です。
 卒乳に決まりはないので、家族で決めて乗り越えていきましょう。