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Q. 妊娠してから夫に対する嫌悪感が芽生え、中絶を考えるように。 (2022.10)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠4か月 (12〜15週)

妊娠4か月の妊婦です。息子が一人います。半年ほど前に再婚をし、引っ越してきました。ここ最近ホルモンのバランスの乱れなのか、主人に触れられたくない、一緒の空間にいたくないと思うようになりました。主人はいろいろやってはくれますが、掃除等が苦手で汚らしいです。夏場に外の日の当たる場所に、釣りの餌などをいつまでも置きっぱなしにしたり、カビが生えた布団を使っていたり、「片付ける」と言ったのにそのままにしている使用できないテレビなど…部屋の中はいらないものだらけで、息子も喘息気味、新生児が生活できる環境ではありません。息子とも一緒に遊んでほしくない、触られたくないとさえ思ってしまいます。実家まで車で2時間くらいかかるのですが、毎日のように帰りたいと思ってしまい涙が止まりません。結婚しなきゃよかった、前の生活に戻りたいと思ってしまいます。再び離婚したいと思ってはいけないのでしょうか?
つわりがひどくて1か月間飲み食いができず、体重が減り点滴もしていました。育てていける自信が持てず、中絶したいと思ってしまっています。慣れない土地で子育てをして、来年息子は小学生。そんなに実家にも帰れない。頼る人もいない。孤独と不安で押しつぶされそうです。中絶したいと思ってはいけないのでしょうか? 「中絶したい」と主人と両親に相談をしたら、反対されています。

回答者: 帆足暁子先生

 追い詰められているあなたの思いが伝わってきます。
 あなたのつらさを解消するために、いまのあなたの状況を整理してみましょう。

 あなたのつらさは2つのことからきているように思います。

 まずは「夫」のこと。
 いまのあなたは、夫に触れられたくない思いが強いようです。
 妊娠されてからそう思うようになったとすれば、あなたの書かれたようにホルモンの乱れから生じていると考えることはできます。その場合は、出産してホルモンが安定すれば元に戻る可能性はあります。あるいは、妊娠されたことで、生まれる「新生児」を守る気持ちが強くなり、あなたの夫の生活環境に対する不安が、触れられたくないという思いに象徴されたのかもしれません。

 もしくは、妊娠とは関係なく、夫と生活を共にすることで、次第に夫に対して気持ちが拒否的になってきたのかもしれません。あなたとの生活環境への意識の違いに気づいたり、その違いに折り合いをつけようとする姿勢が見られなかったり、思っていたほどあなたを大切にしてくれなかったり。そういう思いとのズレは、漠然とした経過をたどりながら、相手への失望となり「触れられたくない拒否」として表現されているのかもしれません。

 いまのあなたは「(実家に)毎日のように帰りたいと思ってしまい涙が止まりません」。そして「結婚しなきゃよかった、前の生活に戻りたいと思ってしまいます」「再び離婚したいと思ってはいけないのでしょうか?」と思っています。この状況を変えないと、あなたが壊れてしまいそうです。

 一方、「夫」との再婚を決められたあなたの思いが、そのときにはあったはずです。そのことも思い出してください。いまは見えなくなってしまったけれど、あなたにとって再婚を決意することになったのはなぜだったのでしょうか。

 その両方を考えた上で、未来のご自分が後悔しない決断をすることが大切です。
 離婚、別居、1か月等の期限を決めてお互いに考える時間を設ける、など。

 ベストの決断は難しいと思います。ベターの決断の中でどれが一番後悔が少ないかという視点でも良いのです。結果がどうであっても、自分の人生なのですから自分が決めることができます。

 そして、もう一つの「中絶したい」こと。
 あなたの、中絶したいという思いは、もう決意されているようです。でも、夫とあなたの両親の反対があり、迷われているようです。反対される理由にあなたは納得できますか。
 この問題は「離婚」ともつながっています。健康面で考えれば、あなたの体調の不安定さは、夫との不安定な関係の象徴かもしれません。関係が変われば体調も変わる可能性があります。離婚されるとしたら中絶しますか。中絶に関しては、中絶できる期限があります。それがあなたの決断のタイムリミットになります。

 これらのことを一つひとつ考えてみてください。
その判断基準は「自分を大切にする」ことです。あなたは大切にされて良いのです。

 いまのあなたには支えてくれる人が必要だと思います。保健センターや子ども家庭支援センター、かかりつけ医があればそこでの心理士さん等、あなたが信頼できると思った人に相談できると良いと思います。あなたを支えてくれる専門職と一緒に、「後悔しない」「自分を大切にする」決断を探してみませんか。