家族関係・夫婦・ママ友
Q. 義家族と距離をとりたいです。 (2022.11)
- (妊娠週数・月齢)2歳
現在2歳になる息子を出産した前後の、義母の不快な言動を引きずっています。産院で入室禁止にかかわらず入室して、息子が寝ている新生児ケースに持参した誕生日ケーキを入れて記念撮影をしたり、退院後に過ごす部屋を、相談もなく義実家に準備したり。また、連日「写真を送って」「早く抱っこしたい」のメール、時にはアポなし訪問等も。退院後は、帝王切開の痛みもある中、義家族を招待するため一旦自宅に帰り、翌日から数日実家で過ごすことにしましたが、その際「帝王切開だから少し怪我したようなもんよね」と言われ、気持ちが切れました。ほかにも、実母への失礼な言動もありました。月に数回義実家へ行きますが、もう疲れました。今後は最低限のおつきあいにしたいです。夫からは「子どものためには我慢も必要」と言われていますが、行事など、年数回しか義実家に行かないのは問題があるのでしょうか?
回答者: 高橋惠子先生
嫁と姑との関係の持ち方はさまざまであり“正解”はないと思います。嫁と姑のそれぞれの性格、考え方、これまでの経験、そして、将来の計画などによって、結婚で生まれた新しい親戚との付き合い方は異なるはずです。したがって、質問者のように「行事など、年数回しか義実家に行かない」という“距離をおいた付き合い”もありだと思います。実は、そのような付き合いをしている、あるいは、それしかできていない家族の方が多いのではないでしょうか。盆暮れに日本中で家族の大移動が起こるのは、多くの夫婦は年に数回しか実家にも義実家にも、帰っていないということでしょう。
質問者の問題は、“距離をおいた付き合い”を姑と息子(夫)が受け入れてくれるか、そして、嫁としても後ろめたさを感じることなくこれが実行できるか、ということでしょう。そこで、次の4点を考えてみてください。
1.相手を理解する気持ちを持ちながら、自分の考えをしっかり伝えること
嫁の立場からすれば、一連の姑の行動には許せない点が多いのでしょう。しかし、姑は孫の誕生を喜び、よかれと思う準備を精一杯しているつもりでしょうから、姑の気持ちには感謝していることを伝えましょう。そのうえで、自分はどうしたいか、姑にはどうしてほしいかを話し、姑の考えも聞いてみましょう。実は、姑世代も嫁世代とどう付き合うかについて気苦労があるのだと思います。
2. 物理的に距離をおくこと
「スープの冷めない距離」という言葉を聞いたことがあるでしょう。親世帯と子世帯がうまくいくためには、物理的に離れて暮らすのがよいということを意味しています。このアイデアは二十世紀のヨーロッパから伝えられたのだそうです。わけのある人間関係をうまく維持するための知恵だといえましょう。「スープの冷めない距離」がどのくらいの“距離”であるかは、それぞれの家庭の都合で決めたらよいでしょう。距離をおいて対面の機会を減らしても、時期を決めて連絡をとり、写真を送ったり、たまには映像を使った交流をするなどをして、お互いにとって無理のない付き合いができるように工夫してはいかがでしょう。
3. 夫の協力を得ること
嫁姑問題の解決には、夫の協力が必要です。しかし、多くの場合、母―息子関係は密であり、加えて、面倒なことは避けたいという夫たちは、嫁姑問題の解消に手を貸さないことが多いと報告されています。しかし、姑を責めるのではなく、嫁の気持ちをしっかり伝えるには、夫の協力が必要です。話し合いに同席してもらうのはいかがでしょう。
4. 子どもの発達にとっての義家族
人間は社会の中で育ち、社会の立派なメンバーになることが期待されています。したがって、子どもがさまざまな人々と触れ合いながら成長するのは望ましいことです。このような観点から見ると、義家族の人たちと接することは、子どもにとって貴重な経験になります。たとえ姑に少し変わった接し方をされても、子どもはいろいろな体験をする機会になりますので、母親は気持ちを大きく持って、子育てを楽しんでほしいと思います。そして、時には、姑にお子さんを預けて自分を解放することを試みてはいかがでしょう。