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母乳とミルク・授乳

Q. 生後3か月の子。授乳量がミルクと母乳で1日計500mL未満です。 (2023.11)

  • (妊娠週数・月齢)3か月

 3か月になる娘を混合栄養で育てているのですが、授乳量が少ないことが心配です。1回のミルク量は20~40mLで、1日のトータル量が200~280mLになります。おっぱいも1回あたり20mLで1日で8回とやはり量が少ないです。どうしたらもっと飲んでくれるようになるでしょうか? 機嫌はよいのでこのままでよいのかもとは思いますが、体重が発達曲線の適正ゾーンぎりぎりなので心配です。

回答者: 市川香織先生

 生後3か月のお子様の授乳量が少ないことをご心配されているのですね。
 この時期のお子様の1日に必要な哺乳量は体重1kgあたり150~200mLです。体重が発育曲線の適正ゾーンぎりぎりというラインだとして、たしかに1日の哺乳量は少ない可能性があります。ただし、母乳も飲んでいるので、母乳をたくさん飲めているときと少ししか飲めないときとばらつきがある可能性があるため、一概には言い切れません。

 機嫌はよいということですが、皮膚の状態や排泄はいかがでしょうか。肌に張りがあり、薄い色の尿が1日に5~6回出ていておむつが濡れていれば、必要な量飲めていると考えられます。また、体重の増え方も哺乳量の目安になります。この時期は、1日当たり20~35gの体重増加となります。健診などで「体重増加が少なすぎるのでミルクの量を増やすように」という指摘を受けていなければ慌てる必要はありません。生後3か月ころは急成長する時期ですので、身長が伸びるタイミングでは体重の伸びがゆるやかになることもあります。体重の測定は、地域の保健センターなどでもできますので、利用してみるのもよいでしょう。
 
 混合栄養なので、母乳についても気になるところです。1日8回授乳しているので、少なくはありません。毎回の授乳でお子様が飲み取れる乳汁の量を増やす工夫をしてみましょう。意識したいのは授乳のときの姿勢です。お子様の頭と体がねじれていたり、うつむいていたりすると飲みにくいので、まっすぐになるように姿勢を整え、お母様の体とお子様の体の前面を密着させましょう。お母様もリラックスできる楽な姿勢であることが大切です。また、お子様の鼻が乳頭に向き合うようにしてあげると、乳頭を深くくわえることができるので、同じ時間吸っていてもたくさんの量を飲めるようになります。

 さらに、授乳中にお母様が自分のおっぱいをしっかりと手でつかむように圧迫すると、乳汁の流れを助け、飲み取る量を増やすことができます。お子様が飲んでいる間はおっぱいを圧迫し、吸わなくなったら力を緩め、圧迫する指の位置を変えて同じように圧迫します。繰り返し圧迫しても飲まなくなったら、反対側のおっぱいに替えて、同じように飲んでもらいましょう。おっぱいを飲み続けている間は左右何度も飲ませるようにします。母乳が出ているときは、ゴックンゴックンと飲み込む音がしたり、のどが動いたりします。クチュクチュしているだけのときは、飲み取っていないと判断してよいでしょう。飲み終わりのころには、乳汁の成分が脂肪の多い乳汁に変わってきます。この乳汁を飲んでもらうと、体重増加にもつながります。3か月ころは、乳房自体は張り感がなくなってくる時期なので、分泌が悪くなってきたと誤解されがちですが、お子様にしっかり飲んでもらうことで、分泌は維持できますし、分泌量を増やすこともできます。
 母乳の分泌状態や、ミルクと母乳の回数と量など、母乳育児相談をしている開業助産師に相談するのもよいでしょう。助産師はお母様の状態とお子様の状態をトータルに見ていきますし、必要な場合は小児科の受診も勧めます。産後ケア事業として利用することができるかもしれませんので、市区町村の子育て世代包括支援センターもしくは保健センターに問い合わせていただくとよいでしょう。ぜひ専門家を活用してくださいね。