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おしっこ・うんち・おむつ

Q. 4か月の子のうんちの色が白っぽくて心配です。 (2024.2)

  • (妊娠週数・月齢)4か月

生後4か月の息子がいます。おとといの夜から、母子健康手帳のうんちの色の表でいうと3番のようなうんちをしはじめました。心配になって昨日病院に連れて行き、うんちにウイルスがいないかの検査と血液検査、超音波の検査をしてもらいました。けれども、どれも異常がないと言われ、おなかの調子によっても色は変わるよと言われました。その帰りには、うんちの色もいつも通りに戻ったのですが、昨晩からまた白っぽいうんちをするようになりました。本当に大丈夫なのでしょうか? うんちが白っぽかったときに考えられる病気には、どんなものがあるのでしょうか? 赤ちゃんのうんちの色って、そんなに変わるものなのでしょうか?

回答者: 横田俊一郎先生

 便の色は、普通は黄褐色をしています。この色は、胆汁に含まれているビリルビンが腸の中へ排泄され、それが腸内細菌などによって変化を受けて無色のウロビリノーゲンに変化し、それがさらに変化を受けて最終的にできるステルコビリンという物質の色です。従ってビリルビンが腸管に排泄されないと、ビリルビンの代謝物による色がつかないので、便の色は基本的には白色になります。便が白くなる病気で有名なのは先天性胆道閉鎖症です。先天性胆道閉鎖症は遅くとも生後1〜2か月までに症状が現れる病気で、早期に治療をしないと肝不全になることが多いので、母子健康手帳の便色カードを使って病気の早期発見に力が注がれています。
 生後しばらくして白色便になる病気としては、肝炎や総胆管拡張症などで胆汁の腸管への排泄が低下して黄疸が出る病気があります。また、脂肪の吸収が悪くなる病気(膵臓の病気や吸収不良症候群)では、便に脂肪がたくさん出て白っぽくなることがあります。いずれも年長児にも起こりますが、まれな病気です。病院を受診して血液検査や超音波検査を行ったのは、このような病気がないかどうかを調べるためだったのではないかと思います。
 一方で、胃腸炎のときに便が白っぽくなることもよくあります。一番有名なのはロタウイルス胃腸炎のときの白色便です。米のとぎ汁のような白い水様便が出て、嘔吐や発熱、下痢を伴っています。以前は乳幼児に多い病気でしたが、ロタウイルスワクチンが普及してまれな病気になってきています。ロタウイルス胃腸炎では胆汁の排泄が低下することが白色便の原因だと言われています。また、ほかのウイルスの胃腸炎、たとえばノロウイルス胃腸炎でも白色便が見られることは珍しくありません。
 また、これ以外にも特別な病気はないのに白色便が見られることもあります。腸内細菌叢の変化でビリルビンの代謝が変わることなどが原因となるのではないかと考えられていますが、はっきりしたことはわかっていません。このような場合には白色便は一過性で、赤ちゃんは元気もあり、哺乳や体重増加も問題ありません。
 赤ちゃんの便の色は大きく変化しますので、どれが正常かと言うのはなかなか困難です。便の色よりも赤ちゃんが元気で体重がきちんと増えているかということが、重大な病気があるか否かの判断をするうえで最も大切になります。うんちだけを見るのではなく、赤ちゃんの全身状態をきちんと見極めてください。また、心配で受診するときには、おかしいと思う便を持って、あるいは写真を撮って受診すると診察に役立ちます。