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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠31週。胎児の脳に血流異常が見られると言われました。 (2024.4)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠8か月 (28〜31週)

現在、妻が妊娠31週です。先月から妊婦健診のエコー検査で、脳の血流異常が見られると言われました。常にではなく、悪いときとよいときがあるようです。担当医も正式な見解が出せず、来週セカンドオピニオンを受ける予定です。脳の血流に異常があるというのは、どういう状況なのでしょうか。どんな影響やリスクがあるのでしょうか。可能性でも構わないので教えてください。

回答者: 安達知子先生

 胎児の超音波検査は、その発育の評価(頭部大横径、腹部の断面周径、大腿骨の長さの測定による発育バランスと推定体重)、胎児の位置や向き、羊水量、胎盤の付着部位などを見るため、妊婦健診の際にしばしば行われます。とくに、妊娠期間中に2回程度、精密超音波検査といって、妊娠中期と後期に胎児の心臓、腹部内蔵(肝・腎など)や頭部内の構造、臍帯付着部位や臍帯血管の数などを評価します。
 ご質問は脳の血流異常とのことなので、染色体異常などに伴いやすい脳の構造異常(奇形)などではないと考えられます。脳動脈の血流や波形は、胎児の発育不全、胎児水腫などをきたす胎児の重症貧血や心不全、その他の代謝異常などで異常を示します。とくに、妊娠高血圧症候群や胎盤機能不全などに伴う胎児発育不全では、躯幹(身体)の発育が抑制されても、脳の発育を維持しようと脳血流が増え、血管抵抗が下がります。これらを評価するには、臍帯動脈や子宮動脈の血流や血管抵抗などとの総和の評価や一定期間をあけての所見の変化などを見る必要があります。なお、胎児の向きや動きなどでも脳血流の評価は変動することもあり、技術を要することから超音波専門医などによるハイリスク妊娠の診察を受ける必要があります。場合により、母体も含めた入院精査や早期の分娩誘導なども視野に入れて、総合周産期センターなどへの転院も必要となります。いろいろな可能性がありますので、担当医によく説明を求めてください。