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母乳とミルク・授乳

Q. 生後6か月。起きた状態での授乳を嫌がります (2024.11)

  • (妊娠週数・月齢)6か月

もうすぐ生後6か月になる赤ちゃんがいます。3か月ごろから、起きた状態で授乳ができなくなりました。添い乳でしか飲みません。哺乳びんも嫌がりくわえてくれません。そのため添い乳で授乳しています。しかし最近、添い乳でも飲まなくなってきました。授乳間隔も5~7時間あいてしまいます。授乳しようとするとのけぞって嫌がります。「授乳の姿勢がよくないのかも」と言われたことがあるのですが、のけぞって嫌がるため姿勢どころではありません。どうしたらよいでしょうか?

回答者: 市川香織先生

 生後6か月のお子様が添い乳でしか飲んでくれず、さらに添い乳でも嫌がるときがありお困りなのですね。

 授乳姿勢はお子様それぞれ好みがあり、抱っこの姿勢が好きな子もいれば、寝ながらの姿勢が好きな子もいます。お子様は寝た姿勢で飲むのが好きなのですね。また、添い乳では飲んでくれるということですので、お母様の母乳が大好きなのは間違いありません。お母様は授乳のたびに添い乳をしなければいけないので、やや大変かもしれませんが、そのこと自体は問題ありませんよ。

 しかし、最近は授乳間隔があいてしまったり、授乳しようとするとのけぞって嫌がったりするようになったとのこと。何かお子様にとってのけぞって嫌がる新たな原因が出てきたのでしょう。生後6か月ということですので、離乳食が始まっているのではないかと思うのですが、離乳食は食べられていますか。離乳食を食べられているようなら、授乳の間隔が5時間以上あいてしまっても問題ないことが多いです。お子様の消化機能を考えれば、離乳食を食べると、母乳だけのときよりおなかがすくまで時間がかかります。ですので、まだあまり飲みたくないときに授乳を強いられると嫌がる場合が多いです。
 また、授乳後1~2分で射乳反射が起こり、溜まっていた母乳が勢いよく出るのですが、母乳の出る勢いが強すぎると、お子様が飲み込むペースと合わずにのけぞって嫌がることがよくあります。そのようなときは、お母様がおっぱいをくわえさせる前に少し前搾りをして射乳反射の勢いが少し収まってから飲ませるようにするとよいでしょう。そして姿勢も、寝たままとはいえ、少しだけ頭側を起こしたリクライニングにしてあげると、飲み込みやすくなったり、鼻や耳管への乳汁の流れ込みを防げるかと思います。

 授乳を嫌がる別の理由として、乳歯が生え始めてきている可能性もあります。歯の生え始めでむずむずするとお子様も不機嫌になったりぐずったりします。よだれが多くなったり、お子様がおもちゃや手などをよく噛むようになったりしたら、歯が生えてくるサインかもしれません。

 お子様がのけぞって嫌がっているときは、無理に飲ませず落ち着くまで少し時間をおきましょう。お散歩に行くなど環境を変えてみるのも一案です。おくるみなどでお子様をくるんで落ち着かせるのもよいかもしれません。そして、お母様も「飲めるだけ飲めばいいよ」というくらいのゆったりとした気持ちで授乳しましょう。

 授乳間隔が延びると、母乳が5~7時間溜まってしまうことになりますので、お母様は乳腺炎になりやすくなります。また、母乳は飲む量に応じて作られるので母乳の量が減ってしまったりする可能性もあります。乳腺炎を予防して分泌量を維持するためには、授乳間隔があいてしまったときに、ご自身で少し搾乳されるとよいでしょう。搾乳の目安は、搾りきるほどではなく、乳房が少し楽になる程度で構いません。

 お子様の成長過程では、いままで好んでいたものを嫌がったり、少し後戻りしているのではないかと感じられることが起こったりします。お子様の一番近くにいるお母様だからこそ悩みも多いですね。お子様自身がイライラをうまく表現できないためだと思い、いまを乗り切りましょう。