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母乳とミルク・授乳

Q. 生後6か月。上の子のやきもちで、直接授乳ができません (2024.12)

  • (妊娠週数・月齢)6か月

3歳と生後6か月の子どもの母です。上の子の嫉妬がすごくて、下の子が生まれてから数えるくらいしか直接授乳ができていません。下の子が生まれたばかりのころは、抱っこするだけでも怒り、「下の子を置いて、自分と遊ぼう」と言って聞きませんでした。そのため上の子が寝ている間しか直接授乳ができませんでした。毎日搾乳はしていましたが、徐々に母乳量も減ってきました。産後3か月で職場復帰をしてからは疲れもあり、夜は哺乳びんで搾乳した母乳を下の子にあげることが増えました。でも乳頭混乱を起こしているのか直接授乳しようとすると大泣きします。自分の子どもなのに直接授乳ができず、とても悲しいです。これから直接授乳に移行することは難しいでしょうか。

回答者: 市川香織先生

 直接授乳を思うようにできないまま6か月となってしまい、お子様も直接授乳を拒むようになったので、今後の授乳について悩んでいらっしゃるのですね。
 上のお子様のやきもちもあり、生後すぐから直接授乳があまりできなかったとのこと、さらに産後3か月で職場復帰もされたということですので、心身共にお疲れなのではないかと心配です。
 そのような状況の中でも、チャンスをみて直接授乳をしたり、搾乳したりと、苦労しながらも母乳をあげてきたこと、大変ながんばりがあったことと思います。直接授乳はスキンシップの場でもあり、自分の母乳を飲んで満足してくれるわが子を見るのは何にも代えがたい幸せな時間ですよね。それができないことは逆につらくて寂しい気持ちになりますね。ですから、もう一度直接授乳をしたいというお気持ちもよくわかります。

 確かに現在、お子様は哺乳びんでの授乳に慣れてしまっていますので、直接授乳に移行していくのは簡単ではなさそうですね。でも、できないわけではありません。空腹で大泣きしているときは難しいので、少し哺乳びんでおなかを満たしてから、さっと哺乳びんの乳首を外して直接授乳を試してみる、お風呂上がりなどお母様の血液循環が良くなったタイミングで直接授乳してみるなど、お子様が少し落ち着いているタイミングでいろいろ試してみるとよいかもしれません。また、お母様も搾乳を続け母乳分泌量を維持しておくことが大切です。
 ご自身だけでがんばるのはなかなかハードルが高いことですので、まずはいまの乳房のコンディションとお子様の授乳の様子を客観的に助産師に見てもらうことをおすすめします。お住まいの近くに助産院があれば母乳育児相談にのってくれますので、授乳の様子を見てもらいながら、どんなタイミングで授乳するとよいか、お子様が直接授乳の何を嫌がっているのか、授乳姿勢はどうか、母乳分泌量を維持するにはどうしたらよいかなどを教えてもらうとよいでしょう。各都道府県には助産師会が組織されていて助産師マップなども公開されています。地域の保健センターでも助産師の情報をもっていますので、問い合わせてみるとよいでしょう。

 母乳分泌には心身のストレスが影響します。お仕事もあると思いますが、無理せず体を休め、バランスの良い食事、カフェインレスの水分摂取を心がけましょう。上のお子様への対応もあると思います。まずは上のお子様を優先して優越感を味わってもらいつつ、上のお子様にも下のお子様の育児の一部を一緒にする、手伝ってもらうようにしていけるといいですね。

 しかしながら、直接授乳への移行は簡単ではありません。離乳食も始まるころだと思いますので、同じリズムで哺乳してくれないこともあるかもしれません。やれるだけやって、家族全体にとってベストの選択ができれば、もし直接授乳できないとしてもここまでがんばったお母様ご自身を褒めていただきたいと思います。