母乳とミルク・授乳
Q. 作ってから2時間以内の飲み残しのミルクをあげていました (2025.2)
- (妊娠週数・月齢)1か月
現在生後1か月の赤ちゃんに、作ってから2時間以内の飲み残しのミルクを1か月と9日間、毎日あげ続けていました。出産した病院では「作って1時間以内ならあげていいよ」と言われていたため、大丈夫だと思っていました。でも改めて気になり、インターネットで検索すると「飲み残しのミルクは破棄したほうがいい」とか「サカザキ菌に感染する」など書いてあり心配になりました。いまのところ下痢、嘔吐、発熱はありません。でも「んー」と力が入った感じでよくうなりながら泣き出します。おなかが痛いのでしょうか? それともサカザキ菌に感染してしまったのでしょうか? サカザキ菌に感染した場合、どのような症状が出るのか教えてください。
回答者: 東海林宏道先生
ご質問ありがとうございます。結論としては問題ないように思います。サカザキ菌(Cronobacter sakazakii)ですが、ヒトや動物の腸内や自然環境下に広く分布し、乳幼児の腸炎や全身感染症の原因になるとされていますが、感染リスクが高いのは生後2か月未満の乳児で、中でも早産児や免疫不全などの病気をお持ちのお子さんと言われています。国内で発症の報告はほとんどありません。
しかし、育児用ミルクの原材料や製造過程、調乳や授乳時に混入する可能性は否定できませんので、①調乳時には完全に煮沸した後に70℃以上まで冷ました湯を使用する、②調乳後2時間以内に使用しなかったミルクは破棄するといった対応が重要とされています。この時期は空気嚥下による腸の張りが「『んー』と力が入」る原因になることも多いので、授乳後だけでなく、授乳途中の脱気(げっぷ)も試してみてください。
(参考文献:細野茂春, 周産期医学52巻増刊 Page403-405, 2022.)