家族関係・夫婦・ママ友
Q. 生後7か月の子の母。夫と育児の考え方が違い、ストレスです。 (2025.3)
- (妊娠週数・月齢)7か月
不妊治療を経て生後7か月の男の子を育てています。最近、夫婦で育児に対する考え方が違い、お互いストレスを感じています。私は育休中で、夫は仕事をしています。そのため平日は、私の母に手伝ってもらっています。夫の帰りは夜9時過ぎです。そのころには、赤ちゃんは寝ています。夫は帰宅すると、夕食を食べてテレビを見たり、スマホをいじったりしています。夜、赤ちゃんがぐずったりしたときの対応はすべて私がしますが、その間、夫はくつろいでいて、その光景を見るとたまらなくイライラします。赤ちゃんを優先にして置きっぱなしになった湯冷ましを冷蔵庫に戻すなど、ちょっとしたことも手伝ってくれず、それを指摘すると「数秒でできることなら自分でやったら」と言われました。
また私は、泣いたらすぐに抱っこしてあやしたいのですが、夫は「少し泣いていても問題ないし、泣いたらすぐに対応するのは成長につながらない。過保護過ぎる」と言います。私は将来「あのとき抱っこしてあげればよかった」と後悔したくないので、夫のようには考えられません。お互い人間なので考え方の違いはあると思いますが、どうしても歩み寄れません。こんな関係を長く続けたいとは思いません。夫とのかかわり方についてアドバイスをお願いします。
回答者: 高橋惠子先生
質問から、いろいろな問題が重なってストレスを感じておいでのように読み取れました。整理してみますと問題は、①自分だけが育休を取って、夫は以前と同じ生活・仕事を続けていること、②夫が育児に協力せず、ワンオペ状態であること、そして③夫が育児について考えが違うと主張することです。これではストレスがたまると思います。
母親が育休を取り、自分は知らぬ顔の父親は少なくありません。育休を取った母親は孤独に耐え、育児の疲れもあって、つらい日々を送ることになります。子育てはやりがいのある仕事であり、楽しみも充実感も持てる仕事ですが、上記の①~③のような問題を抱えながらするのは酷なことだと私は考えます。そこで検討してみましょう。
① 母親が育休を取ること
育休が取れることは便利ではありますが、良いことばかりではありません。「育休を取った父親を対象にした調査」が育休中の親の気持ちを明らかにしました。育休中の父親たちが最もつらいと訴えたのは、“自分が社会から隔離されている”“社会の進歩から遅れてしまう”という孤独感、疎外感でした。質問者はこの点には触れておいでではありません。しかし、自分のキャリアの中で “育休がどのような時期で、どのような意味を持つか”を明確にされると、休暇を取っておいでの日々に、より積極的な意味が見いだせるのではないかと考えます。育児の手があいた時間には、育休明けのための準備を心がけてみるのはいかがでしょう。あるいは、この機会に新たな趣味を持たれるのもよいでしょう。育休期間を「子ども育て」と「自分育て」との貴重な時間だと考えみてはいかがでしょう。
② ワンオペ育児であること
育児はワンオペでするには適さない活動です。実家のお母さんの援助があっても、初めての子育ては大変なことが多いと思います。しかし、夜9時に帰宅する父親は、赤ちゃんとの接し方も、赤ちゃんのかわいさも体験できていないことでしょう。そこで休日などを利用して、父子の接触時間を増やすのはいかがでしょう。あるいは母親が一人で出かける用事を作って、父親に子どもを任せてみるのもよいでしょう。実際に育児に参加することで父親の子どもへの関心や愛情が深まると、これがワンオペを解消するきっかけになるのではと考えます。
③ 育児についての夫婦の意見の違い
「泣いてもすぐには抱かない」という父親の意見は、乳児と接する体験が少ないことからきていると推察します。赤ちゃんが泣いたら、すぐに応じてあげるのは当然です。乳児は何か不満があり、それを伝えたいと泣いているのですから「どうしたの?」とすぐに応じてあげることが大切です。泣くことは周囲の人とのコミュニケーションの手段だからです。素早い対応をされていると、子どもは自分が愛されていることを知って安心し、頻繁には泣かなくなります。
生後7か月では、育児は始まったばかりです。お子さんが成人されるまで、さまざまな問題が出てくることでしょう。そのひとつひとつについて両親が、そして子どもが自分の考えを言えるようになったら、子どもも含めて相談して決めていくことになるでしょう。誰かが強硬に考えを通すのではなく、また互いに意見が異なることがあっても不満に思わないことです。
夫婦は異なる家庭、学校、地域で育ってきているのですから、互いに考えが異なることがあるのは当然だと言えましょう。子育てのすべてのことについて夫婦の意見が一致することは不可能ですし、そうする必要もないと考えてはいかがでしょう。