友だち・遊び・テレビ
Q. 3歳の娘。自分が悪くなくても友だちに謝ります。 (2025.7)
- (妊娠週数・月齢)3歳
3歳の娘のことで相談です。幼稚園でお友だちとけんかをすると、娘は自分が悪くなくても謝るそうです。私も幼稚園の先生も「自分が悪くないときは謝らなくていいんだよ」と伝えていますが、娘は「自分も悪いのかもと思うし、大好きな友だちだから仲直りしたい」というようなことを言います。娘の気持ちを尊重しながらも、自分が悪くないときは謝らなくてもよいことを、どのように伝えればよいのでしょうか。娘は、幼稚園の先生のことが大好きですが、先生にも相談できないみたいです。おそらく、遠慮しているのだと思います。自分を出せるようにするには、娘にどのように接していくとよいのでしょうか。
回答者: 遠藤利彦先生
確かに親御さんの視点からすると、自分に非がなく、本来、謝る必要のない場面で、お子さんが「ごめん」と謝ってしまうことに違和感を覚えるかもしれません。しかし、 お子さんの中に「自分も悪いのかもと思うし、大好きな友だちだから仲直りしたい」という気持ちがちゃんと育ってきていることに関しては、大いにプラスに受け止めてよいところかと思います。
友だちとの間に何らかのもめごとやいざこざが発生した場合に、何とかそれをうまく収め、友だちとの関係を元通りに修復したい、一緒に楽しく遊べる関係を維持したいという気持ちの強さが、やや過剰に謝るという行為につながっているのかもしれません。
こうした場合、もちろん謝らなくていいときには「謝らなくていいんだよ」と直接的に教えることもできるわけですが、むしろそれ以上に、お子さんには、自分のやりたいこと、言いたいこと、あるいはいやなことがあれば、それらをはっきりと友だちに主張していいのだということを積極的に伝えたいものです。
お子さんの中には、自分の気持ちを抑える「自己制御」の力はすでに豊かに育っているのだと考えることができます。そうだとすれば、それを評価し尊重したうえで、今後は自分の気持ちをもっとオープンにほかの人に伝える「自己主張」の力を伸ばしていくことを意識してはいかがでしょうか。
「自己制御」と「自己主張」の両方の力がバランスよく備わっていることが、これから先、将来に向けて、お子さんがほかの人と対等にコミュニケーションをとり、健全な関係を築き保っていくうえで、とても大切な意味を持ち得るのだということを、この機会に少し考えていただければと願います。