出産について
Q. 妊娠29週。双子を妊娠中ですが、子宮頸管が短くて心配です。 (2025.8)
- (妊娠週数・月齢)妊娠8か月 (28〜31週)
双子を妊娠中(MD双胎)です。現在妊娠29週ですが、妊婦健診で子宮頸管の長さが14mmと言われました。妊娠38週で帝王切開で出産する予定ですが、このまま子宮頸管が短くなると何mm程度で緊急帝王切開になるのでしょうか。子宮収縮は、いまのところありません。胎児の推定体重は、1,293gと1,294gです。また双子の妊娠にはほかにどのようなリスクがありますか。
回答者: 安達知子先生
双胎妊娠では、通常の単胎妊娠と比較して、胎児、胎盤、羊水などの容量が大きくなるため、子宮頸管への負担が大きく、頸管長が短くなり、切迫早産から早産となることが多いです。14mmは単胎妊娠ですと、妊娠38~40週くらいのイメージで、いつ破水して分娩となるか不明ですので、すぐに入院による安静が必要な状況です。
妊娠28週ごろから胎児発育はスピードを増しますので、子宮収縮の有無に関わらず、さらに短縮すると考えられますし、早晩子宮収縮も出現して子宮口も開いてくると思います。双胎妊娠では、胎児の位置異常が起きやすく、骨盤位や横位などで破水しますと、臍帯下垂や臍帯脱出も起こりやすく危険です。子宮口が開いてくれば、陣痛や破水がなくても、緊急帝王切開となる可能性はあります。NICU のある周産期センターでの入院管理が必要です。
なお、MD双胎は2人の胎児がそれぞれの羊膜に包まれてはいますが、1つの胎盤を共有しているため、胎児への血流分布、栄養や酸素の供給状態が不均等になりやすく、今後体重差だけでなく、貧血児と多血児になったり、心不全などが発生するリスクもあります。