妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)
Q. 妊娠26週。子宮筋腫か副胎盤のようなものがあると言われました。 (2025.9)
- (妊娠週数・月齢)妊娠7か月 (24〜27週)
第2子を妊娠中です。妊娠26週で受けた妊婦健診の経腟エコーで、子宮口付近に子宮筋腫か副胎盤のようなものがあると言われました。第1子の出産から1年3か月がたちましたが、その間とくに指摘もなく、急な話に驚いています。帝王切開になるのではないかと、とても不安です。妊娠37週で計画出産が決まっているのですが、このまま経過観察になるのでしょうか。そもそも副胎盤とは何でしょうか。妊娠・出産に、どのような影響があるのかも教えてください。
回答者: 安達知子先生
副胎盤とは主となる胎盤から分離した小さい胎盤で、5%くらいの頻度でみられると言われています。主胎盤との間は卵膜でつながり連結した血管が走行しています。問題になることは少ないのですが、まれに連結部の血管が破綻しますと胎児機能不全や最悪の場合は胎児死亡となることがあります。また、主胎盤が娩出したのちに副胎盤が子宮内に遺残して産褥大出血をきたしたり、きわめてまれですが、連結血管が子宮口の上か、そのごく近くにあると、分娩経過中に子宮口開大の過程で大出血することがあります。
現在子宮口付近に何らかの塊のように見える画像があるそうですので、注意深く、血管超音波検査などで血管の走行や血流の状態をみて副胎盤なのか、子宮筋腫なのかなどを観察していくことになります。また、妊娠34~36週くらいでMRIの撮影をして最終的に確定診断し、副胎盤であれば、子宮口付近の血管走行や血流分布の状態、児頭との位置関係などをみることになります。子宮筋腫の場合は、その大きさや子宮内腔への突出具合にもよりますが、産道通過障害や回旋異常に注意して、経腟分娩になると思われます。副胎盤の場合は、経腟分娩がよいか、帝王切開が安全かなどもMRIなどによる最終的な判断によります。どちらも分娩時に出血量が多くなる可能性もあり、自己血貯血をするかどうかなども担当医とご相談ください。なお、計画分娩は37週はまだ子宮頸管の成熟も十分ではないので、頸管拡張操作を伴う可能性も高く、あまりお勧めしません。分娩時期については、担当医とご相談ください。