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妊娠中の気がかり(生活)

Q. 周囲の人から好かれやすい3歳の娘。 (2025.9)

  • (妊娠週数・月齢)3歳

3歳になった娘が好かれやすく、ときどき心配になります。娘は、基本的にニコニコしており、嫌なことがあって泣いても切り替えが早いため、友だちも付き合いやすいのだろうと思います。
保育園では1歳児クラスのころから“モテ”エピソードがあり、娘が嫌がる素振りを見せても毎日ハグしてくる子がいたり、散歩のときに娘と手をつなぎたい子同士が言い合いになってしまったり、交流のない上のクラスの男の子から頻繁に声をかけられて、娘が萎縮してしまったこともあるようです。そのたびに、先生がおさめてくれて大きなトラブルにはなっていません。肝心の本人はマイペースで、ドライな態度をとることもあり、親としてはお友だちを傷つけているのではないかということも気になっています。
また先日、公園でたくさんの子どもがいるのに、知らない男性から娘だけ声をかけられて、本当に心配になってきました。これに関しては、念のため警察にも相談しました。
男女問わず好かれることは素晴らしいことなので、親としても誇りに思っています。しかし無意識に娘が周りを傷つけてしまったりしないか心配ですし、犯罪に巻き込まれるリスクを回避したいとも考えています。悩みの内容が自慢とも取られかねないので、ママ友だちなどに気軽に相談できません。親として、娘にどのようなことを教えていくとよいでしょうか。

回答者: 高橋惠子先生

 幼児が仲間から好かれるという性質をもつことを親が心配しなければならないというのは、物騒な事件が多い社会状況のためでしょう。確かに、子どもの安全をどう守るかは深刻な問題です。子どもの安全を確保し、そして親の不安を和らげるために以下の提案をしたいと思います。

 第一には、子どもの服装や持ち物などを目立たないものにするのがよいと思います。髪にリボンを飾ったり、かわいく見える服装やうらやましがられるような持ち物は保育園に通うときには避けましょう。ほかの子どもの関心を引きやすいからです。うらやましいと必要以上に近づいてきたり、時には、そのためにいじめたりもすることもあります。子どもの個性を消すことは残念ですが、安全のためには仕方がありません。
 
 第二には、お母さんはお子さんを信じてほしいということです。お子さんは保育園ではマイペースで行動し、時にはドライな態度もとれるというのですから、大したものです。子どもは自分らしく仲間の中で行動できていると考えられます。
 子どもは保育園での仲間とのやりとりの中で、親子関係では獲得できない“仲間と付き合う”という人間関係を体験し学びます。どの子も仲間社会の中で、好かれたり、嫌われたり、上手にふるまったり、失敗したりします。よほど困ったことが起きそうなときには保育者がいるのですから、親としては信じて任せましょう。心配かもしれませんが、子ども同士の付き合いには“親の出る幕はない”と考えてください。保育園から帰ったら、子どもから報告を聞くので十分としましょう。すべてを知ろうと問い詰めたりするのではなく、子どもの話を聞きましょう。そして「楽しくてよかったね」「がんばれたのね」と伝えるので十分です。

 第三には、お母さん自身の生活の見直しについてです。お子さんが保育園に通っておいでなので、お母さんは仕事をもっておいでであろうと思います。しかし質問を拝読して、第二の提案を実現するためには、親自身の生活をもっと大事にすることが必要だと感じました。自分の仕事や趣味を深め、子どもを忘れる時間をもつことをお勧めします。

 そして第四は、公園で起こったという出来事についてです。「自分のタイプだったから狙った」という犯罪者もいるのですから、容姿がどうのということではなく、どの子どもも危険な目にあう可能性があると考えなくてはならない社会です。小学校低学年くらいまでは、子どもだけで遊びに行かせたりするのは安全とはいえません。子どもが遊ぶ公園の安全が確保されているか注意しなくてはなりません。警察による見回りを依頼することも必要でしょう。親たちが協力して、おとなが交代で必ず付き添うような工夫をしている地域もあるようです。

 最後に、子どもに伝えるべきであるのは、一人で外に出ない、知らない人から物をもらったり、知らない人と話をしたり、知らない人に付いていかないなどでしょう。しかし、小学校低学年までの子どもを一人にしないこと、子どもが安心できるような仕組みを作ることはおとなたちの責任だと考えます。