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出産について

Q. 42歳で凍結胚を使って妊娠するリスクを教えてください。 (2025.10)

  • (妊娠週数・月齢)産後

42歳の1児の母です。39歳のときに体外受精で妊娠し、40歳で第1子を帝王切開で出産しました。凍結胚があり、第2子を希望していますが、高齢出産になるので不安です。40代で凍結胚を使い、妊娠・出産するリスクを教えてください。

回答者: 安達知子先生

 近年は40歳代での出産は増加しており、2024年における40~44歳での出生数は43,463人で、これはこの年の全出生数686,061人の6.3%を占めます。また、40~44歳での出産の27~28%は体外受精などの生殖補助医療によることが知られており、このことからも42歳での体外受精による出産(凍結・融解胚移植による妊娠・出産を含む)はしばしばみられます。

 39歳での凍結胚ですが、42歳で胚移植した際の妊娠率は24~37%くらいで、妊娠しても流産する可能性は少なくとも30%以上あることから、お子さんが生まれる可能性はさらに低くなります。
 妊娠した際のリスクは、一般の高齢出産と変わらずあります。また、前回帝王切開ですので、2回目も帝王切開となります。そして、最初の妊娠・出産経過に異常がなくても、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、切迫早産、前置胎盤・癒着胎盤、静脈血栓塞栓症、分娩後大量出血などの発症率は20代後半や30代前半での妊娠・出産よりも明らかに高くなります。
 しかし、高齢妊娠や出産のリスクを理解して、担当医や助産師のアドバイスを受けて臨めば、概ね大きな問題とはならずに経過します。

 これらは医学的なものですが、あとは子育てに関わる体力消耗や疲労、子どもが成人するまでに起こってくる更年期症候群や勤務との両立、介護などの問題が考えられるでしょう。