家族関係・夫婦・ママ友
Q. 4歳と生後6か月の子どもがいますが、夫が下の子をかわいがりません。 (2025.12)
- (妊娠週数・月齢)6か月
- (妊娠週数・月齢)4歳
4歳の息子と生後6か月の娘がいますが、夫は上の子のことは溺愛するのに、下の娘をかわいがりません。理由はわからないのですが、下の子がどんなに泣いていても声もかけず、抱っこもしません。常に上の子のことを優先します。また下の子を名前ではなく「不細工」、「うんこ」などと呼びます。泣き止まないと「うるさい」と大声で言ったり、布団を顔に掛けたり、頬を叩きます。夫にはやめるようにお願いしましたが、「それなら、もう下の子の面倒はみない」と言われました。本気なのか、冗談なのかはわかりません。
夫は一人っ子ですが、夫自身の育てられ方や仕事のストレスが原因でしょうか。夫が下の子に対して冷たい態度をとると、一緒に子育てをしてもらえないのではないかと不安になり、ストレスがたまります。私が夫に協力を求めすぎているのでしょうか。どのようにしたら、夫がもっと下の子をかわいがってくれるようになりますか。アドバイスをお願いします。
回答者: 帆足暁子先生
あなたは、夫に「もっと下の子をかわいがってくれるように」なってほしいという願いと、「一緒に子育てをしてもらえないのではないか」という不安があるのですね。
考える方向性は、2つあります。
1つは、下の子をかわいがってもらって一緒に子育てをするために、あなたの夫が「なぜ、下の子をかわいがらないのか」その理由を整理して、下の子をかわいがれるように、あなたの夫を変えていくことです。
ただ、下のお子さんへの冷たい態度は、単純にかわいがらない、ということだけではない、強い拒否を感じます。一人っ子で育つことのメリットでもあり、デメリットにもなりやすいことに、親の影響を強く受けることがあります。もし、親の愛情を十分に受けて育ったのだとしたら、あなたの夫は下のお子さんにもご自分が受けた分の愛情をたっぷり与えると思います。
現状の原因として、あなたが「夫自身の育てられ方」とされているので、何か感じられていることがあるのかもしれません。もし、それが原因だとしたら、あなたの夫を変えることはかなり難しいです。もし、夫ご自身が下のお子さんへの自分の態度に悩み、変わりたいと思ったとしても、これまでかかった時間と同じくらいかかるかもしれません。なぜなら、何年もかけてあなたの夫は心に傷を抱えてこられたのだと思うからです。
ただ、上のお子さんは溺愛されているのですから、子どもが嫌いなわけではないようです。きょうだいの下だからなのか、女の子だからなのか、何か、娘さんにはあなたの夫が抱えている課題とリンクするものがあるのだと思います。それがわかって違う捉え方ができれば変われるかもしれません。
あるいは、あなたが上の息子さんのときより、下の娘さんのほうには手がかかって、あなたを娘さんに取られたように感じて、邪魔者扱いになっているのかもしれません。意外とお子さんに嫉妬する夫というパターンもあるのです。この場合には、お子さんよりも夫にたくさん話しかけ、相談し、頼りにしていることを伝えたり、子どもよりも大切に思っていることを伝えていくことで、お子さんが自分の脅威と感じなくなれば、冷たい態度は消えていきます。
もう1つは、あなたの夫を変えることはあきらめて、あなたがもう1つ不安に思っている、子育てを一緒にするために、育児の役割分担をする方向性です。
「一緒に子育てをする」というのは、言葉は簡単でもその実態はさまざまです。あなたにはあなたのイメージがあると思いますが、できそうなことを考えてみます。たとえば、上の息子さん担当は夫で、下の娘さん担当はあなたにします。その良さは、下の娘さんへの夫の冷たい態度を少なくすることにあります。それを見なくて済むことは、きっとあなたの気持ちを楽にすると思います。
あるいは、分担をするとしたら、あなたはどういう分担なら良いと思いますか?「夫に協力を求めすぎているのでしょうか」という言葉がありますから、あなたが夫に求めている役割があるのかもしれません。それが求めすぎていると感じられるのであれば、「私があなたに協力を求めすぎているのかもしれない」という思いを伝えて、改めて一緒に話し合って分担や役割を決め直すこともできると思います。
大切なことは、あなたが、夫と一緒に子育てをしたいと思っている気持ちです。一人では疲れるからとても無理、ということもあると思いますが、二人の子どもだからこそ、「一緒にあなた(夫)と子育てをしたい」というあなたの思いをまず伝えることです。
そこには、子どもの存在を超えた強い二人のつながりの存在があるからです。
もし、それでもあなたの思いが伝わらなかったら、夫に支えてもらうことはあきらめて、保健センターやこども家庭センターなどの外部の専門家に、あなたを支えてもらえる子育てサービスや支援をお願いすることもできます。
人を変える、変わってもらうということは難しいことです。なぜなら、人は誰でもそうなる必然性をもって、いま、ここに存在しているからです。ですから、やってみて無理そうであれば違う方法を選択していくことが、あなたが幸せに子育てをすることにつながっていくと思います。いまは、子育て支援が充実している時代です。自分のために活用していくこともお勧めです。