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子どものこころを育てる 1

こころの豊かな子に育ってほしいと願っています。
でも初めての育児は「?」の連続。
毎日「これでいいのか」と迷ってばかりです。

「こういう人になってほしい」
そんなふうに、子育てのテーマや目標を考えてみませんか?

 授乳やおむつ替えに追われ、まとまって眠る時間もとれなかった最初の1~3か月。ひと息つく間もなく、夜泣きだ、離乳食だと、次から次から出てくる子育ての仕事にきりきり舞いさせられていることでしょう。小さなこととはいえ「判断」が迫られる場面も多く、楽しさもある一方、気苦労も絶えない毎日ですね。まして初めての子育てであれば、「これでいいのか」、「よかったのか」と迷いや不安があるのも無理のないことと思います。
 「これでいいのか」??。
 それは、自分の子育てが「正しいかどうか」という問いかけでもあるでしょう。
 でも、子育てに「正解」などありません。子どもは育児書通りに育つものではないし、ハウツウ的に解決できることはむしろ少ないのです。その子の個性に応じて、あるいは場面に応じて、迷いながら、考えながら、臨機応変に対処していく、それが子育てともいえます。
 けれど、そうした対処が場あたり的なもの、あるいはそのときの親の感情のままになってしまうのは、確かによいことではないでしょう。
 実際、私たちはものを言ったり何かをするとき、はっきり意識はしなくても、何らかの基準や信念を持って行っているのではないでしょうか。子育てでも、それは同じです。
 つまり、日常の場面で出てくる子どものひとつひとつの行動に対して、どう判断し、応じていくか自信を持って決めるためには、何らかの基準が必要ということです。
 具体的には、「この子がどういう大人になってほしい」という目標です。

わが子の「80年の人生」を
見通して

 「そんな先のことまで、考えるゆとりはありません」という声も聞こえてきそうですが、ひとりの人間を育てるというのは大事な営み。目標やイメージを持つことは、とても大切です。
 というのも、わが国では人生「80年」の時代になったからです。この長い人生を幸せに、しかも自分らしく生きたいと、誰もが願っています。赤ちゃん時代はそうした長い長い人生の始まりの時期。80年を充実して生きることを考えて、スタートをきらせてあげたいものです。
 そんな長い人生を考えながらあなたの子どもを見れば、発育や発達を長い目でみるゆとりも出てくることでしょう。また、「この子に伝えたいことは何だろうか」と考えることも必要になります。それが見えてくれば、赤ちゃんや子どものさまざまな行動にどんなふうに対処していけばいいのか、おのずと定まってくるように思います。少々のことは許すゆとりも出てくるし、子育てのうえでの迷いや漠然としたあせりも、ずっと少なくなるのではないでしょうか。

大切なのは「自立」を育むこと、そして楽しく子育てをすること

 これからの社会で生きていく子どもに必要なことは「自立した生き方ができること」ではないでしょうか。多様化する社会の中でも自分らしさを失わず、ぞんぶんに生きていける力、多様な選択肢から自分に合ったものを選ぶ力と、それを実現していく力をつけることです。つまり「自分の人生の確かな主人公になる力」です。男の子も女の子も、人間として自分らしい人生を送りたいと願う子どもになってほしいし、可能な限りをの力を持ってほしいと考えます。
 かといって、あせる必要もありません。なぜなら、人間は生涯にわたって発達し、自分の力で変化をしていける能力を持っているからです。これについては、あとで書きましょう。
 いまは、赤ちゃんの笑顔や子育てを、お母さん、お父さんが楽しむこと、それがもっとも大切です。

赤ちゃんは楽しそうに笑っていますか?
お母さん、お父さんは子育てを楽しんでいますか?
だったらだいじょうぶ! 心配しすぎないで!

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