食事と栄養・離乳食
Q. 生後3か月。食への興味を示しますが、離乳食の開始時期をどう考えればいいですか。 (2014.6)
- (妊娠週数・月齢)3か月
生後3か月の娘です。実家でお食い初めをしました。娘の祖父が食べ物を口に運び、実際に口に含ませたところ、娘は一生懸命に食べようとしていました。形あるものを舐めたり、汁物や茶碗蒸しを食べたりしました。娘は生後2か月頃から私の食べているものを追視したり、私が口を開けると真似をしたり、食への興味があるようです。そろそろ離乳食を始めてもよいのでしょうか。1歳頃まで始めないほうがいいとか、早く始めるとアレルギーが出やすいとも聞きますが、食への興味を示しているなら、これが離乳食を始めるのに適したタイミングではないかとも思えます。首はしっかりしており、うつ伏せにすると上半身と足を上げて数分保ちます。こうした発達と離乳食の開始のタイミングについて、どのように考えればいいでしょうか。
回答者: 太田百合子先生
離乳食を始めるにあたっては、身体機能がひとつの目安になります。ご相談の赤ちゃんは、首すわりがしっかりしてうつ伏せも嫌がらずにしているようですね。さらに、支えてあげればお座りができることも目安になりますので、できるかどうか確認してみましょう。
内臓機能の発達も関係しています。それを理解するには、母乳の栄養の特徴を知るとわかりやすいかもしれません。
母乳は乳清たんぱく質が多くカゼインが少ないために消化しやすく、たんぱく質のアミノ酸構成が赤ちゃんに最適です。タウリンが多いので神経や網膜の発達に有利といわれています。脂肪は不飽和脂肪酸が多く含まれて、体内の代謝機能に有利です。炭水化物は乳糖のほかにオリゴ糖が含まれていて腸内環境を整えてくれます。ミネラルは適切であるので腎臓に負担がかからないようになっています。腸管感染症についても防いでくれるので、この時期の子どもには母乳は優れた栄養です。
WHOや米国小児科学会は生後6か月までは「母乳だけ」を推奨していますが、先進国の研究では、生後4〜6か月で離乳食を始めても大きな問題はないという意見もあります。
子どもは消化吸収が未熟であるということを考えると、離乳食で消化不良や食物アレルギーを起こすこともあるので、少量を試しながら慣らしていくことが大切です。
乳幼児期の発育や発達、とくに食への関心や離乳食の進み方は個人差が大きいので、上記のことを念頭に、お子さんに合った進め方をしてください。