病気・予防接種
Q. 保健医療関係者です。3種混合ワクチンがない場合の接種方法を教えてください。 (2014.7)
保健医療関係者です。3種混合ワクチンが製造中止となります。3種混合のワクチンがない場合の、以下のようなケースについて接種方法を教えていただけたらと思います。
①ポリオ生ワクチン2回接種、3種混合ワクチンを1回接種している場合
②ポリオ不活化ワクチン2回接種、3種混合ワクチンを2回接種している場合
③ポリオ不活化ワクチン1回接種、3種混合ワクチンを3回接種している場合
回答者: 横田俊一郎先生
今年3月12日、厚生労働省健康局結核感染症課から「3種混合ワクチン(DPT)及び4種混合ワクチン(DPT−IPV)の取扱いについて」という事務連絡が出て、3種混合ワクチンを販売している4つの会社から「4種混合ワクチンの供給量が確保されていることから、今後、3種混合ワクチンの製造は行わず、順次販売を中止していく」という趣旨の連絡があったことが公表されました。
早い会社では今秋に発売を終了し、使用期限も来年2月までとなっていますが、その後もいくつかの会社の製品は使用できるようです。また、不活化ポリオワクチンの供給が途絶える予定はありません。
4種混合で接種を始めたお子さんでは問題はないのですが、3種混合と不活化ポリオで接種を始めたお子さんでは、3種混合ワクチンがなくなるといくつかの問題が起こってきます。「医療機関にワクチンが供給されなくなった場合、残りの接種回数を4種混合ワクチンに切り替えて接種を受けていただくことになるが、その場合に既に受けられている不活化ポリオワクチンの接種回数と4種混合ワクチンとの接種回数を合わせて5回以上接種することはできない」とされているのです。この通達は、諸外国でもポリオワクチンを5回以上投与した例がないことが根拠となっているようです。
これらを踏まえてそれぞれの対応を考えると
①4種混合で2回だけ接種する(生ポリオワクチン1回を不活化ポリオワクチン1回として計算する)
②4種混合で2回接種する
③4種混合で1回、不活化ポリオワクチンで2回接種する
ということになります。
ただし、まだ3種混合ワクチンは十分に流通していますので、なるべく早く接種を始めれば、いまからでも接種を完了することができるはずです。
使っているワクチンの種類が変わっても効果には問題がないということになっていますので、種類に関わらず、市場に残っているワクチンを使えば大丈夫です。