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病気・予防接種

Q. 2歳半の男の子。脈拍が多く、10回打つと触れなくなります。 (2014.8)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳半の男の子です。脈拍は120から130回程度ですが、10回打つと触れなくなります。寝ているときに頸動脈が異常な動きをしていることで、気づきました。何か理由が考えられますか? とくに問題ないと考えていいでしょうか。いままで異常や目立った身体症状などはありませんが、今後注意すべき点などはありますか。

回答者: 横田俊一郎先生

 脈が触れなくなることを「結滞」ともいいますが、医学的にいうと「不整脈」のひとつです。不整脈には脈拍数が異常に多くなったり少なくなったりする不整脈と、脈が1拍抜けるような不整脈があり、ご相談のお子さんはこの後者にあたります。成人では胸の違和感で本人が気づくこともありますが、子どもでは自覚症状として訴えることはあまりありません。

 人の心拍は、右心房のあたりにある洞結節という場所から出る指令によって調整されています。脈が抜ける不整脈は期外収縮とよばれ、洞結節から出る指令以外に、別の場所から指令が出ることにより、正常なリズムが乱され脈が抜けることになります。

 この異常な指令には、心房から出ている場合と心室から出ている場合があり、それぞれ「心房性期外収縮」「心室性期外収縮」と呼ばれます。どちらの期外収縮かは心電図によって区別することができます。どうして異常な指令が出るのかということについては、原因が見つからないことが大部分ですが、心臓に病気があるために期外収縮が起こることもあります。

 特別な原因のない不整脈はほとんどが治療を必要としませんが、まれに心臓の機能を害するような危険な不整脈もあります。期外収縮の数が多いときには、運動をさせてから心電図を検査し、運動により期外収縮が増えないかどうかを検査します。また、ホルター心電図という24時間心電図をモニターする検査を行って、対応を検討したりすることもあります。

 ご相談のお子さんは10拍に1拍不整脈が出るということですので、比較的数の多い期外収縮だと思います。また、心拍数が120〜130というのは2歳半のお子さんとしては少し多いといえます。いずれにしても、心電図検査ができ、小児循環器の専門家がいる病院やクリニックを受診して相談することをお勧めします。