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病気・予防接種

Q. 生後4か月。ヒブワクチンを1回接種後に渡英し、今後の受け方に悩んでいます。 (2015.3)

  • (妊娠週数・月齢)4か月

生後4か月になる長男の予防接種についてご相談します。生後3か月のときに渡英し、現在イギリス在住です。まもなく5種混合(イギリスではこれが推奨ワクチン)を接種予定ですが、これを接種するとヒブワクチンを7か月以内に4回接種することになります。日本にいたとき、ヒブワクチンだけ中途半端に接種してしまったためです。こちらで4種混合がないか聞いたのですが、ないとのこと。GP(イギリスの地域病院)で接種する場合はこのスケジュールになってしまうのですが、問題がないのか不安に思っています。

回答者: 横田俊一郎先生

 日本でヒブワクチンを1回だけ接種したあとに渡英され、イギリスで5種混合ワクチンの接種を開始したときの質問ですね。

 5種混合ワクチンは日本の4種混合ワクチンにヒブワクチンを加えたもので、イギリスには4種混合ワクチンがありません。5種混合ワクチンはイギリスでは生後2か月から1か月間隔で3回接種しますので、このスケジュールに従って接種を行うと、ヒブワクチンを4回接種することになってしまいます。なお、イギリスではヒブワクチンの4回目の接種(追加接種)は1歳前後に、髄膜炎菌ワクチンとの混合ワクチンで行われるスケジュールになっています。

 5種混合ワクチン以外に選択肢がないとすれば、ヒブワクチンを3回にするためには5種混合ワクチンを2回で終了して、ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオのワクチンを2回で終わるしか方法がありません。しかし、ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオのワクチンはどれも初回として3回接種が必要なワクチンですので、結論としては、5種混合ワクチンを予定通り3回接種するのがよいと考えます。

 ただし、4回目となるヒブワクチンは3回目から1か月程度しか経っていませんので、追加接種としては効果が不十分です。そこで、1歳を過ぎたら5回目となるヒブワクチン(髄膜炎菌ワクチンとの混合ワクチン)が必要になります。

 また、ヒブワクチンを初回として4回接種することによる弊害があるかどうかという点については、おそらく研究もないと思うので不明と言うしかありません。しかし、大きな副反応が起こるとは考えにくく、免疫の獲得という視点からは5種混合ワクチンを3回接種することのメリットが大きいと思います。