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Q. 生後2か月。新生児の聴覚検査で再検査となった右耳の反応が改善しません。 (2015.4)

  • (妊娠週数・月齢)2か月

2か月の娘です。出生時の聴力検査で右耳が再検査になりました。先日、聴力検査をしたところ、やはり右耳の反応が弱いと言われました。これから先、耳の聞こえが改善することはあるのでしょうか。普段の生活では音にも反応するし、聞こえている気がするのですが、そう見えるだけでしょうか。このまま様子を見ていていいでしょうか。また、聴力が良くなる方法があれば教えてください。

回答者: 多田裕先生

 近年、出生後間もない時期に産院などで行われる「新生児聴覚スクリーニング検査」が普及し、難聴の可能性のある赤ちゃんを早期に発見できるようになったことはたいへん喜ばしいことだと考えています。

 聴力や言語の発達には適切な時期に脳に音の刺激が入ることが非常に重要で、適切な時期を逃してしまうと、その後の療育に苦労することが多いからです。この検査が普及する以前は発見が遅れ、耳の聞こえや言葉の獲得に大きな影響が出てしまうこともありました。

 新生児聴覚スクリーニング検査はそうした赤ちゃんをひとりの漏れもなく早く発見することを目的とするスクリーニング検査であるため、「要再検(リファー)」の幅を広くとっていることが特徴です。

 たとえば、実際に聴覚に問題のある赤ちゃんは1,000人に1人程度の頻度で発生すると考えられていますが、新生児聴覚スクリーニング検査で「リファー」となる確率はその10倍だといわれます。というのも、そもそも新生児の聴覚は未発達なうえ、耳に羊水が溜まっていたりすることも多く、正しい結果が得られないことが少なくないからです。

 以上のことを踏まえて、ご相談のケースについて考えてみましょう。
 まず、聴覚や言語の発達に重要な、音による脳への刺激という点では、たとえ片方の耳の聞こえに多少の問題があっても、反対側が正常に聞こえていれば大きな問題はないと考えられます。 
 ご相談の赤ちゃんは、一方の耳は「異常なし(パス)」という結果が得られているものと思いますし、普段の様子からも音が聞こえているようですから、聴覚や言語の発達に大きな支障はないと考えていいでしょう。

 しかし、私たちは少し離れた位置にある2つの耳で少しずつ違う音を聞き取ることで、一方の耳だけではわからない情報を得たり、できない判断をしたりしています。この点は適応してゆくので大きな心配はありませんが、もしも片側の耳しか聞こえていないと、その耳が中耳炎になったり何かの原因で聞こえが悪くなったりしたときに大きな問題が生じてしまう可能性があります。そのため、両方の耳の聞こえについてきちんと知り、不測の状況になったときには必要な対応策を考えることが重要です。

 子どもの聴覚は生後も発達していくので、真に難聴であると診断できるのは1歳前後になってからです。しかし、もっと早くに正常であることが判明すれば安心できますし、難聴の可能性が強ければ1歳以前から療育を開始することもできます。
 ですから、まずは、子どもの聴覚に詳しい医師にきちんと定期的に経過観察をしてもらい、お子さんの耳の聞こえについて正しく知っておくようにしてください。

 加えて、言葉やコミュニケーション能力の発達を促すためには、聴覚に課題のある子もそうでない子も、目で見たり手で触れたり、匂いをかいだり、五感を豊かに刺激してあげることがとてもよい影響を与えます。日々の暮らしのなかで、散歩に連れ出したり、花の匂いをかいだり、楽しく話しかけたり、抱きしめたり手や足に触れてスキンシップをしたり、五感を刺激する時間を大いにつくってあげてください。

 また、ご両親が赤ちゃんと一緒に楽しい時間を過ごし、笑顔で接してあげることも心身の発達によい影響を与えます。これから表情豊かに、かわいくなっていく赤ちゃんとの暮らしを楽しんでください。

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