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食事と栄養・離乳食

Q. 完全母乳の3か月の子。水分補給についてどう考えればいいですか。 (2015.5)

  • (妊娠週数・月齢)3か月

3か月の子を完全母乳で育てています。産院を退院する際、離乳について「2007年から、『生後6か月までは母乳またはミルク以外の飲み物を与えなくてよい』という指導に変更されました。6か月までは白湯・お茶・果汁・スープなどは与えず、6か月頃から離乳食を開始してください」と指導されました。しかし、気温が高くなる季節なので水分が足りているか心配です。このごろ気候が暖かくなってきたからなのか、これまで2時間半〜3時間だった授乳間隔が短くなる日があります。水分が足りていないのでしょうか?湯ざましなど与えてもよいものでしょうか。その場合、どのくらいの量を与えたらいいでしょうか。

回答者: 太田百合子先生

 6か月までは、授乳以外の水分補給は医学的にはあまり必要がありません。のどが渇いていそうなときは、授乳が水分補給になるので間隔が短くなっても問題ありません。

 授乳間隔が短くなる日があるということですが、生後3か月頃と6か月頃の赤ちゃんは、急速に成長する時期で、いままでよりも頻繁に欲しがることがあります。赤ちゃんの要求を満たすように頻回に授乳することで母乳もよく出るようになり、授乳間隔はやがて落ち着いていきます。

 6か月以降の水分補給については、離乳食に影響しない程度に母乳だけでもかまいませんが、赤ちゃんの興味が広がるとともに口腔機能や消化機能が発達するので、水分摂取は発達に合わせてスプーンやコップなどを使い始めてみてください。

 なぜ2007年から指導が変わったのかが気になるところでしょう。
 母乳は赤ちゃんにとって何よりも代えがたい優れた栄養であること、母子の心身の健康にも役立つことが再認識されています。

 妊娠中に「ぜひ母乳で育てたい、母乳が出れば母乳で育てたい」と思う人は約96%に上りますが、実際には3か月には人工ミルクの割合が約20%と増えていること、完全母乳は約40%と少ないことがわかりました。早期に哺乳びんなどを使用すると、簡単に飲むことができるために、母乳で育てたいと思っていても人工ミルクに移行しやすくなります。

 そこで、母乳で育てている場合は、離乳食が始まるまでは水分補給を含めて安易に哺乳びんなどで与えないほうがいいということです。

 現在は完全母乳が3か月で約60%と改善しています。これも母乳推進のための取り組みのひとつです。