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食事と栄養・離乳食

Q. 2歳の男の子。離乳食は順調だったのに、いまは怒りながら介助しないと食べません。 (2015.5)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳2か月の男の子です。食事について悩んでいます。離乳食は意欲的でしたが、現在は怒りながら介助しないと食べません。大人と一緒に食卓を囲んでもだめです。幼稚園や小学校でも取り残されることになるのではと不安です。意欲的に食べる子になるために、どんなかかわり方をすればいいでしょうか? 背が小さいため、しっかり食べてほしいとの思いから怒ってイライラしてしまう自分は最低だと感じます。怒っている私を見ると息子は完食し、すごく気を遣っているようなので、私は「怒ってごめんね」とあやまりますが、申し訳なくて切ないです。食事を15分で切り上げても気にする様子もないです。大好きな食後のヨーグルトや果物は意欲的で、自分で上手に食べます。私は小さい頃からよく食べたので、食事は楽しい思い出でいっぱいです。夫は食べない子だったため嫌な思い出が多いそうで、そうはさせたくないと思います。

回答者: 太田百合子先生

 離乳食はよく食べたのに、幼児になった途端に思うように食べなくなるという悩みは誰もが通る道です。2歳児は意思がはっきりしてくる一方で、急に赤ちゃんのように甘えたりすることもあります。気遣うようになるのも特徴ですから、順調に成長している証拠です。

 この時期は食事以外の興味対象が増えるので、なかなか落ち着いて食事ができません。長く集中できないことに加えて味覚や咀しゃく機能などの発達も未熟なため、食に意欲的になれない時期です。そのため、大人が思うような栄養バランスは望めません。1週間単位くらいでおおよその量が食べられて、身長・体重がその子なりに安定して増加しているなら、それで大丈夫だと考えましょう。

 3歳以降になると言葉も理解し、機能も発達するので少し落ち着いて食べられるようになります。

 2歳児は、楽しい環境が食欲に影響します。一緒に買い物をしたり、洗う・混ぜる・型抜きをする・味見してもらうなどの簡単なお手伝いをしてもらったりし、「手伝ってくれてありがとう」という感謝の気持ちを言葉にして伝えると、子どもはうれしくなって食べたくなります。食べやすいように手づかみできるものや、スプーンやフォークが使いたくなるものを献立に加えるのもいいですね。お友だちと一緒に公園で遊んだあとでお弁当を食べると、よく食べることもあります。介助して食べさせることはやりとりを楽しむこともできる機会でもあるので、やさしく口に運んであげましょう。いっぱい甘えたあとは、自分で食べたい気持ちが生まれます。

 このような食へのかかわりがすぐに食べることにはつながらなくても、人とのやりとりを通して食べる楽しさがわかってきます。

 先々のことを考えると「いまからきちんとしっかり食べてほしい」と思いがちですが、まだ伝わらない時期ですから、お母さん自身がつらくなるだけです。同じ悩みをもつ親ごさんは多いので、おしゃべりで発散してもいいでしょう。心配なときは子育て支援センターなどの相談機関で話を聞いてもらうのも大事です。