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病気・予防接種

Q. 生まれたばかりの娘が先天性毛細血管拡張性大理石様皮斑だと診断されました。 (2015.6)

  • (妊娠週数・月齢)0か月

生後8日の娘がからだの血管が模様のようになっており、先天性毛細血管拡張症性大理石様皮斑だと言われました。いろいろ調べても詳しくわからず、また、医師に確認しても「稀な病気で詳しくはわからない」とのことでした。自分の目で見ると、模様と言われれば模様に見えるかなという感じです。現在、目の検査やエコー検査を受ける予定ですが、成長につれて障害が出てくるようになるかもしれないと言われ、とても不安です。ネットなどで調べると赤紫の線などの画像が出てきますが、娘には現在のところ見られません。しかし、今後見られるようになるのでしょうか? また、いまは身体的な奇形などがなくても今後出てくる可能性があるのでしょうか? 治療法についても知りたいと思っています。

回答者: 板橋家頭夫先生

 たいへんご心配されていることと思います。

 先天性毛細血管拡張症性大理石様皮斑は確かにまれな疾患で、明らかな原因も特定されていません。多くの場合、全身または限局した網状の皮膚血管網として新生児期に発見されます。また、皮膚症状が2歳以後に出現したという報告も見られます。皮膚の変化も多様ですので早期から典型的な病変とならない場合もあります。軽度の皮膚の症状だけであれば、思春期以後に消失する可能性が高いようです。

 しかし、ときに病変が毛細血管、小静脈、静脈、小動脈、リンパ管に及ぶ場合があり、それに応じて多種多様な症状が出現する可能性があります。それらのことを考えて、主治医はお子さんの目の検査や、心臓あるいは頭部超音波検査などを予定しているのではないかと思われます。

 皮膚の病変の部位は下肢にもっとも多く出現しやすいといわれています。病変が波及する範囲や深度によっては次第に下肢の太さに左右差が出現することもありますが、現時点では、このような変化が出現するのかどうかを予想することは困難です。また、全身的な異常についても新生児期には予知できない可能性も高いと思われます。

 したがって、小児科の主治医を中心に必要に応じて皮膚科や形成外科をはじめとして他の領域の専門医に紹介していただきながら、経過を見ていくことが大事です。皮膚病変の治療についても、現時点で治療が必要なのかどうかはわかりかねますが、ときにレーザー治療が行われることもあります。しかしながら、その効果はあまり高くないようです。

 この先お子さんがどのようになっていくか不安でたまらないとは思いますが、まずは信頼できる小児科医にコーディネーターとなってもらい、経過を見ていってはいかがでしょうか。

※編集部注:板橋家頭夫先生は本年度(平成27年度)より回答者に加わっていただきました。