食事と栄養・離乳食
Q. 1歳5か月の娘が常に食べ物を欲しがり、肥満児になるのではと気がかりです。 (2015.9)
- (妊娠週数・月齢)1歳5か月
1歳5か月の女の子です。食事以外の時間も常に食べ物を欲しがります。食事はそれなりにあげているので足りないことはないと思うのですが、食事が終わって30分後には台所に手を伸ばして泣き始めます。「もう終わり」と言うと大泣きし、何か食べないと泣きやみません。それが一日中続きます。何か対処法はないでしょうか。現在、身長78cm、体重10.9kgですが、このままでは肥満児になるのではないかと心配です。
回答者: 太田百合子先生
現在の身長と体重を成長曲線に当てはめてみるとライン上にあるので、いますぐに将来の肥満は心配しなくても大丈夫でしょう。
1、2歳児の食べ方を見てみると、手づかみ食べやスプーン、フォークを使おうとして一生懸命です。食べることを楽しむというよりは、食べ物と格闘しているように夢中になって食べます。子どもにとっての関心ごとは、一日の大半を食が占めているといってもいいでしょう。
この時期の「食べ過ぎ」は、感情と身体感覚が一致しないために起こります。満腹なのかよくわからない状態ということです。
では、どのようにして満腹感がわかるようになるのでしょうか。それは、大人の言葉かけや関わりによってです。ある程度食べたら、「もうおなかがいっぱいだね」「おなかパンパンだね」と言葉かけをすると、それを聞きながら自分で感じる身体感覚と満腹感が一致していきます。
いつも食べたがるので付き合う大人はたいへんだと思いますが、子どもの食べたい気持ちをまず認めることも大切です。「ダメ」と言われるだけでは、子どもは満たされません。お子さんが台所に寄ってきたら、お母さんは片づけや料理をすることより、まずは一緒に遊ぶこと、関わることを増やしてあげましょう。少し関わると満足するので、「今度は待っていてね」と待つことも教えていきます。
子どもがもっと欲しがるときは、「おまけのひとつだよ」「味見してくれる?」と特別感をもたせてみましょう。そのあとはどんなに大泣きしてもあげません。少しでもがまんできたら、「よくがまんできました」とほめてあげることも大切です。
子どもの言いなりにならない部分については、生活習慣(早寝早起き、食事とおやつの時間、外遊び等)を守ること、約束を守ることを根気よく教えていきます。
このように、言葉かけをし、ルールを教え、励ますことを繰り返すことで身体感覚と自律心が育ち、おなかがいっぱいになれば自ら「ごちそうさま」が言えるようになっていきます。