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病気・予防接種

Q. 7か月の女の子。予防接種の跡がケロイド状に残ってしまいました。 (2015.9)

  • (妊娠週数・月齢)7か月

7か月の女の子です。予防接種はBCGも含めてひと通り打ち終わりましたが、予防接種の跡がケロイド状に肩のあたりに残ってしまっています。大きさは2cmくらいから、大きいものだと5cmくらいのものもあります。数は全部で5個ほどです。とくにかゆがったり、内部にしこりがあるようなことはないのですが、このまま様子を見ていて問題はないでしょうか? 女の子なのでずっと跡が消えないのかと心配です。また、今後の予防接種はこれまで通りに受けても大丈夫でしょうか?

回答者: 横田俊一郎先生

 ケロイドは外傷の後の瘢痕が過剰に増殖したものです。生まれつきケロイドができやすい体質の人があり、顎、肩、前胸部などにできやすく、赤く盛り上がって増大する傾向があります。一方、似たようなものに肥厚性瘢痕という病変があり、これも外傷の後の瘢痕部にできますが、増大する傾向はなく赤味も少ないのが特徴です。

 一方、BCG接種したあとの経過ですが、接種後1か月から2か月がもっとも反応が強く、3か月から4か月で瘢痕を残して治ります。現在の一般的な接種スケジュールなら、生後5〜6か月でBCG接種することになりますので、生後7か月というのはまだ反応が起こっている期間です。ですから、起こっている病変はケロイドではなく、BCG接種による強い反応の可能性もあるかと思われますが、これは実際に診てみないとわかりません。

 しかし、2cmから5cmの大きさというのはかなり大きいので、針痕の反応が強く癒合しているのかもしれません。また、BCGは上腕外側のほぼ中央部に接種することになっており、肩に近い部分はケロイドの発生率が高いので避けることになっています。ご相談のお子さんは肩のあたりに跡が残っているということなので、少し心配でもあります。ほんとうにケロイドであると長く残る可能性もあり、治療も必要になりますが、まずは小児科で診察を受けてください。また、このようなトラブルはBCG接種特有のものですから、他の予防接種については心配ありません。

参考までに、正常なBCG接種後の経過については下記をご覧ください。
https://www.bcg.gr.jp/general/bcg/post.html