赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバーアレルギー

アレルギー

Q. 2歳3か月。魚にアレルギーがあります。食事の注意点や母乳との関連を教えてください。 (2015.12)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳3か月の子の食物アレルギーについて質問します。魚にアレルギーがあり、食べると口のまわりにぽつぽつと赤い発疹が出ます。血液検査ではIgE抗体が38でした。主治医からは、「アレルギー症状の出る魚は除去し、食べて問題のないものは与えてよい」と指示されました。鮭などは発疹が出ますが、かじきやかつおだしは問題なく食べられます。いずれ魚を食べられるようになってほしいのですが、1歳までアレルギーが出なかったので与えていたまぐろやかまぼこなども、食べているうちに発疹が出るようになりました。インターネットで調べてみたところ、アレルギーのある食品は完全に除去したほうがよいというものや、最近の研究では少しずつ与えたほうがよいという記述などもあり、悩んでいます。アレルギーの出ない魚も除去したほうがいいのでしょうか。また、生後3か月の下の子を完全母乳で育てていますが、私も魚を食べないほうがいいのでしょうか。医師より、上の子の魚アレルギーの原因は母乳にあると言われました。

回答者: 横田俊一郎先生

 食物アレルギーの質問はたくさんありますが、魚のアレルギーは幼児ではあまり多いものではありません。

 血清IgEが38というのは、年齢を考えると少し高めですがたいしたことはなく、強いアレルギーがありそうには見えません。食べたあとに口のまわりに発疹が出るという訴えも多いのですが、全身的なアレルギーではなく、食べ物が口のまわりについて接触性皮膚炎(かぶれ)で発疹が出ているということも少なくありません。ほんとうに魚のアレルギーがあるのかどうかは、アレルギー専門の小児科で皮膚テスト(プリックテスト)などを受けて慎重に診断する必要があると思います。

 アレルギーのある食品を完全に除去した方がよいのか、あるいは少しずつ与えた方ほうがよいのかという疑問については、2014年1月の回答でも説明しました()。結論からいえば、大きな問題が出ない程度のアレルギーなら少しずつ与えていたほうがよいというのが最近の考え方です。厳密な除去を行うとかえってアレルギーが治りにくいとさえ、いわれています。口のまわりに発疹が出る程度であれば、少しずつ与えていたほうがよいと思います。

 また、母乳が子どものアレルギーの原因になるかどうかということについても、考え方がだいぶ変わってきています。以前は子どもにアレルギーが起こりやすい場合には、母乳を与えている母親も除去したほうがよいといわれていました。しかし、最近はこの考え方には否定的で、厚生労働科学研究班による「食物アレルギーの診療の手引き2014」(16ページ)には、「妊娠中、授乳中にアレルギー疾患発症予防のために食物制限を行うことは十分な根拠がないために通常勧められていない」とはっきりと書かれています。