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アレルギー

Q. 生後10か月。卵アレルギーがありますが医師の指導法の違いに悩んでいます。 (2014.1)

  • (妊娠週数・月齢)10か月

生後10か月です。8か月のとき固ゆでした卵黄を茶さじ1杯食べさせたところ、その2時間後から6回嘔吐し、2回下痢しました。1週間後も同量の卵黄で同様の症状になり、小児科で1歳までは卵を除去するよう指示されました。一方、市のアレルギー講座では「摂食開始を遅らせることに意味はない、むしろ悪い。最近は、1歳前に摂食開始したほうがよいという考え方も出ている」と言われました。その後、10か月健診を受けた別の小児科では、市のアレルギー講座の医師と同じ説明のあと、「アレルゲンは皮膚から入った場合にアレルギー反応を起こすことが多いので皮膚が荒れている場合は治してから卵を与えていくとよい」と言われ、顔とひざにロコイド軟膏を塗るよう処方されました。しかし、子どもの肌は「言われて触ってみるとざらざらしている」程度で、かゆがってもおらず、ステロイドを使うのは抵抗があります。食物アレルギーと皮膚トラブルの関連についてどう考えればいいのか、また、卵の除去をどうすればいいのかがわからず、悩んでいます。

回答者: 横田俊一郎先生

 食物アレルギーが起こる仕組みについては、最近考え方がだいぶ変わってきました。食べ物は消化されて小さな分子に分解されて腸の粘膜から吸収されますが、一部は大きな分子のまま吸収されて、これがアレルギーを起こすと考えられてきました。したがって、腸の消化能力が高まってアレルギーを起こすような分子が減るまで原因となる食べ物を完全に除去するという治療法が、いままでは一般的でした。しかし、腸からアレルギーの原因物質が侵入することに対しては、アレルギーを起こさなくする仕組みが私たちのからだにもともと備わっていることがわかってきました。これを「経口免疫寛容」と呼んでいます。

 ユダヤ人は小さい頃からピーナッツを与える習慣があり、イスラエルに住んでいる子どもたちは乳児期からピーナッツを食べています。しかし、欧米ではピーナッツアレルギーを心配して1歳まではピーナッツを与えないのが普通で、イギリスに住んでいるユダヤ人の子どもの90%は1歳までピーナッツを与えられていません。このような状況の違いのなかで、イギリスに住んでいるユダヤ人の子どものピーナッツアレルギーは、イスラエルの子どもの10倍も多いことが報告されています。

 つまり、乳児期からピーナッツを食べた方がピーナッツアレルギーを予防できるといえるのです。アレルギーの原因となる食べ物を長期間与えないほうが、食物アレルギーをより治りにくくするとも考えられるようになってきました。

 このような状況から、大丈夫な量を少しずつ与えたほうが食物アレルギーを早く治せるという考え方が主流になりつつあります。たしかに、アナフィラキシーのような重い症状が起こる場合には、自宅で食べさせることには危険が伴います。このような重いアレルギーの場合には、検査などをして病院で与えることが必要になります。しかし、少し発疹が出る程度であれば、自宅で少量を与えるということも勧められるようになっています。

 また、いろいろなアレルギーを心配して症状もないのに卵などの摂取時期を遅らせることもよく行われていますが、米国小児科学会は、摂取時期を遅らせてもアレルギーの病気を予防することにはならないと声明を出しています。

 食物アレルギーがどのような仕組みで起こるのかはまだ正確には解明されていませんが、皮膚から原因となる物質が入ることによってアレルギーが起こりやすいこともわかってきました。「茶のしずく石鹸」という加水分解された小麦を含む石鹸を使った人に小麦アレルギーが起こることが、最近日本でも報告されています。口のまわりが荒れていると、食べたときに食物の一部が皮膚から侵入し感作される危険があるというわけです。このことがすべての人に当てはまるかどうかはまだわかっていませんが、顔の湿疹をきれいにしておくことがアレルギーの発病を防ぐことに繋がるのではないかと私も考えています。

 ご相談のお子さんは、食べると嘔吐して下痢をするという比較的重い症状なので、アレルギー専門医と相談して摂取方法を決めるのがよいと思います。また、顔の湿疹についてですが、ロコイド軟膏は比較的ランクの低いステロイド外用薬なので副作用に神経質になることはありません。ステロイド外用薬を使うかどうかは別にして、保湿剤などで顔をきれいにしておくことに損はないと思います。

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