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病気・予防接種

Q. 生後4か月で慢性硬膜下血腫の診断が。手術しなくても問題ないですか? (2016.9)

  • (妊娠週数・月齢)4か月

生後4か月の男児です。小児科で頭囲が大きいと指摘され検査をしたところ「慢性硬膜下血腫」と診断されました。生後1か月のとき、親の不注意でソファから落下させてしまったのが原因かもしれません。よく笑い食欲もあり、今のところ発達も順調そうです。手術は感染のリスクもあるとのことで、自然に血液が吸収されるのを祈り、経過観察ということになりました。一刻も早く手術をしなくて大丈夫なのでしょうか? 発達に影響はないのでしょうか? 自然に吸収されたとすると頭囲は小さくなりますか? 後悔と心配で何も手につきません。

回答者: 板橋家頭夫先生

 大変心配なことですね。結論からお話しすれば、現時点では経過観察でよいかもしれませんが、どうしても心配ということであればセカンドオピニオンを求めればよいと思います。お子さんの画像診断の所見では慢性硬膜下血腫があるということだけで、その大きさが不明ですし、また脳への圧迫の有無や、その程度などが不明なので、明確な根拠を持って判断することはできません。

 現在、発達への影響は認められないようですから、少なくとも手術を急ぐ状況ではないと思われます。乳児は大泉門が開いており、脳圧の上昇が回避されているために症状が出ていない可能性があります。画像診断で血腫が増大する、あるいは嘔吐を繰り返す、意識が低下する、けいれんや発達の遅れなどがある場合には、脳外科医を受診し、手術の是非について相談されるとよいと思います。

 脳挫傷などを伴わない場合には、神経学的予後は良好とされております。また、脳萎縮(頭囲が小さくなる)のリスクも低いと考えられています。なお、受傷がいつ起こったのかを判断するのは難しいことがしばしばです。血腫の発生原因が、生後1か月のときのソファからの落下の可能性も否定できませんが、偶然に見つかることも多いのです。