食事と栄養・離乳食
Q. 1歳になってからの牛乳の与え方について。 (2016.9)
- (妊娠週数・月齢)1歳0か月
1歳になったばかりの子がいます。生後1か月頃から完全母乳で、6か月から離乳食を開始し、9か月から3回食を与えています。ミルクに関しては、私が体調を崩し母乳の出が悪くなった際に、ミルクを与えようとしたことがありましたが、まったく飲もうとしませんでした。その後も何度か試しましたが拒否されて今に至ります。
そろそろ母乳ではなく牛乳を与えようと考えていますが、嫌がって飲まなかった場合、母乳を与え続けた方がよいのでしょうか。それとも他の食べ物で補えますか? また、1歳になるまでは牛乳を与えない方がよいというのはなぜなのでしょうか?
回答者: 太田百合子先生
離乳食は順調に進んでいるようですから、1歳過ぎならそろそろ卒乳を考えてもよさそうですね。
まず、1歳までは牛乳を飲料にしない理由です。牛乳の成分を母乳と比較すると、たんぱく質量は母乳の3倍、ミネラルは3倍以上であり、内臓機能の働きが未熟な1歳頃までは腎臓に負担がかかります。また、牛乳はカルシウムとリンを多く含むために腸からの鉄吸収を阻害すること、牛乳に含まれる鉄は100gあたり0.02mgと少ないために牛乳ばかりで離乳食を食べないと鉄欠乏性貧血になりやすいことから、1歳までは飲ませないほうがよいとされています。
なお、1歳頃になれば、牛乳から、たんぱく質や不足しがちなカルシウムを簡単に摂取することができます。
牛乳を嫌がる場合は、肉や魚、卵、大豆製品、牛乳以外の乳製品からたんぱく質を補い、小魚、大豆製品、牛乳以外の乳製品、緑黄色野菜からカルシウムを補えば栄養素の問題はありません。不足しがちな鉄も離乳食から補うことができます。母乳は離乳食の量に影響がなければ、飲んでも飲まなくてもどちらでもかまいません。