赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバー発育・発達

発育・発達

Q. 6か月の息子の頭が小さいことが気になります。病気の可能性はありますか? (2016.12)

赤ちゃんの頭の大きさについての質問です。生後6か月の息子ですが、頭の大きさが標準より小さいことに気がつきました。なにか、病気のせいだったり発育に問題があったりするのでしょうか? 生まれたときは、身長42cm、体重2.17kg、頭の大きさは不明で、現在、身長61cm、体重5.75kg、頭の大きさが37cmです。

回答者: 横田俊一郎先生

 ご相談のお子さんですが、身長と頭囲の値を成長曲線に描いてみました。体重は身長と同じような経過をとっているので、この図をみるとお子さんの頭囲が身長や体重に比べてかなり小さいことがわかります。

 頭囲が小さいことを「小頭症」と呼び、その原因はさまざまです。頭蓋骨は5つに分れていてその継ぎ目の所で成長していきますが、早い時期から継ぎ目がくっついてしまうと頭が大きくなれず小頭症になることがあります。このような場合には特徴的な顔貌になることが多く、診断がつけば手術で骨を切り離す治療を行います。

 小頭症の原因として多いのは、脳の容積が小さいことによって頭が小さくなることです。先天的な脳の奇形や発育異常、染色体異常などがその原因として知られています。また、重症な髄膜炎や脳炎が原因となることもあります。さらに、妊娠中の感染によっても脳の発達が妨げられ小頭症が起こることがあります。リオデジャネイロのオリンピック開催前に話題になったジカ熱はその代表的なものの一つですが、妊娠中の風しん感染やサイトメガロウイルス感染でも小頭症は起こります。

 ご相談のお子さんに話を戻しますが、運動や知的な発達はどうでしょうか。脳が小さいために小頭症になっている場合には、運動や精神面での発達の遅れがみられることが多いです。おそらく出産予定日より早く生まれたお子さんだと思いますが、生後6か月であれば発達の評価は十分できるはずですので確認してみてください。もし、発達の遅れがまったくないのであれば、頭囲の測り間違えという可能性も考えられると思います。

 いずれにせよ、頭部のCT検査あるいはMRI検査を受けて、脳の発育の状態を確認することが必要だと思いますので、かかりつけの小児科医に相談することをお勧めします。