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病気・予防接種

Q. ドイツ在住の1歳半です。一時帰国前にインフルエンザの予防接種は必要でしょうか? (2017.2)

  • (妊娠週数・月齢)1歳6か月

ドイツ在住です。2月に1歳半の息子を連れて一時帰国し、約1か月半滞在する予定ですが、その前に、日本で大流行中のインフルエンザの予防接種をしておくべきでしょうか?また、ドイツで定期接種に含まれていない日本脳炎の予防接種一回目を、一時帰国の間に受けさせた方がいいのかどうかも迷っています。

回答者: 横田俊一郎先生

 インフルエンザワクチンについては、とくに低年齢(2歳以下)で発症を予防する効果が低いという話もありますが、低いなりにも予防する効果があることは確かです。インフルエンザが流行中の日本へ帰るのであれば、予防接種をしておくのがよいと思います。

 ドイツで使われているインフルエンザワクチンが日本のインフルエンザにも効果があるかどうかということも心配ですが、ワクチンを製造するためのインフルンザの株はWHOが専門家会議によって推奨株を選定し、各国がそれに沿ってワクチンを作っています。したがって、ドイツで受けたインフルエンザワクチンも日本のインフルエンザに対して同じように効果があると考えて大丈夫です。

 点鼻するタイプの生ワクチンも使われ始めているようですが、2歳未満には使われないと思います。また、おそらく初めてのインフルエンザワクチンだと思いますので、2回接種することが必要です。なるべく4週間程度の間隔を空けたほうが抗体の上がりがよいとされていて、また2回目の接種後予防効果が出るまでに2週間程度かかるとされていますので、なるべく早く1回目を接種しておくことが必要です。時間がないのであれば、2回目を日本で接種することも可能です。さらに、低年齢の子どもは家族からうつされることが多いので、家族やよく会う人たちがワクチンを受けて免疫をつけておくことも大切なことです。

 日本脳炎のワクチンについてですが、ドイツには日本脳炎ウイルスはいませんし、日本での流行時期も初夏から9月頃までです。したがって、接種を急ぐ必要はありません。標準的な接種時期は3歳頃とされています。数年前に日本で1歳未満の日本脳炎患者が出たため、日本脳炎の発生の多い地域に住んでいる、あるいはそのような地域へ出かける場合には、生後6か月から接種を考えたほうがよいと日本小児科学会が推奨しています。しかし、そのような予定がないのであれば、一般的な接種時期とされている3歳頃で十分です。