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病気・予防接種

Q. けいれんを4回起こしています。脳波検査をすべきでしょうか? (2018.9)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

いま2歳7か月の娘がいます。1歳になったときに突発性発疹で高熱が出てそのときに一度けいれんを起こしました。その後2歳になったときに熱が高く夜中にけいれんを起こし、そのまま病院にいきましたが、解熱の座薬を入れて帰らされました。朝かかりつけの小児科に行き薬をもらい家に帰ったところ、またけいれんを起こし、市民病院にいきました。そこで肺炎を診断され入院することになったのですが、また病院でもけいれんを起こしました。合計4回もけいれんを起こしたのですが、脳波の検査はせずに退院しました。今からでも脳波検査をした方がいいのでしょうか?

回答者: 横田俊一郎先生

 けいれんがどのようなものだったか、ということが今回の質問に答えるうえで最も大事な情報になりますが、残念ながら詳しい情報は書かれていません。しかし、突発性発疹にかかったときにも起こっていますし、今回の病院での経過から脳炎などの可能性もなさそうなので、熱性けいれんとして話を進めることにします。

 熱性けいれんへの対応について、日本の小児科医は日本小児神経学会が出している「熱性けいれん診療ガイドライン2015」を基本としています。このガイドラインは公開されていて、インターネットで閲覧することもできます。    

 熱性けいれんは単純型と複雑型に分けられます。
1)焦点性発作(部分発作)の要素
2)15分以上持続する発作
3)一発熱機会内の、通常は24時間以内に複数回反復する発作

 これらの3項目の1つ以上を持つものを複雑型、これらのいずれにも該当しないものを単純型と定義します。焦点性発作(部分発作)は、身体の一部分や半分だけがけいれんする発作や、一点を見つめる、あるいは動作が止まるだけでけいれんを伴わないような発作のことを意味しています。
ご相談のお子さんの発作の様子は書かれていませんので判りませんが、「24時間以内に複数回反復する発作」には当てはまりそうなので、一応複雑型と考えてみます。

 「熱性けいれん診療ガイドライン2015」には、単純型熱性けいれんを起こした小児に対して脳波検査をルーチンに行う必要はない、と書かれています。なぜなら、単純型熱性けいれんは大部分が自然に治る病気なので、脳波検査で異常が出たときに保護者に余計な心配をかけるだけ、というのがその理由です。

 複雑型熱性けいれんではてんかんを発症するリスクがやや高くなりますので、その予測を目的として脳波検査を行うことを検討します。しかし、複雑型熱性けいれんでは脳波検査を行うとてんかんの波形を検出する率が高くなることが知られているものの、脳波の異常をみつけてもてんかんの発症を予防することにつながるかどうかは確立されていない、とガイドラインには書かれています。また、脳波異常がみつかる危険因子として、3歳以上、神経学的に異常な所見がある(例えば麻痺など)、熱性けいれんの家族歴が無い、などが挙げられていて、これらの因子があればより積極的に脳波検査を検討することになります。

 ガイドラインにはこのように示されていますので、担当の小児科医がご相談のお子さんのけいれんをどのように判断したかが、検査をするかしないかの決め手になるのだと思います。回数は多いものの、持続時間が短く、けいれんの形も問題なかったと判断したのかもしれません。脳波検査をしても大きなメリットがあるというわけではありませんので、担当の小児科医と話し合って今後の対応を決めてはいかがでしょうか。なお、てんかん波を見つけるためには、けいれん発作後1週間以上経ってから検査をした方がよいことがわかっています。

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