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病気・予防接種

Q. 予防接種後に発熱する4か月の娘。今後の接種で気をつけることを教えてください。 (2019.12)

  • (妊娠週数・月齢)4か月

現在、娘は4か月です。標準的な接種時期から予防接種を開始し、今回3回目の肺炎球菌ワクチンを接種したのですが、3回とも翌日発熱しています。1日以内に解熱していますが、38.5度以上のときもありました。かかりつけの医師からは「3回とも発熱する子は初めてだ」と言われました。次回の接種も、また発熱するのでは?と、心配ですし、今後、他の種類の予防接種でも、副反応が起こりやすい体質なのか気になり、とても不安です。今後の予防接種で、何か気をつけることなどはあるでしょうか。

回答者: 横田俊一郎先生

 小児用肺炎球菌ワクチンは接種後に発熱を起こしやすいワクチンです。このワクチンの添付文書(2017年4月改訂)には、全身性の副反応として発熱(37.5℃以上)は1回目61/168例(36.3%)、2回目61/166例(36.7%)、3回目57/163例(35.0%)、4回目71/145例(49.0%)にみられた、と書かれています。B型肝炎ワクチンやヒブワクチン、4種混合ワクチン(DPT-IPV)と同時接種されることが多いので、どのワクチンの影響で発熱したのかを決めるのは難しいのですが、小児用肺炎球菌ワクチンが原因になりやすいことがわかっています。

 小児用肺炎球菌ワクチンの中にはワクチンの効果を強めるための補助剤(「アジュバント」と呼びます)が入っています。リン酸アルミニウムというアジュバントで、接種した部位の炎症を強める働きがあり、しこりを皮下に作ったり、全身反応として発熱が起こったりします。また、4種混合ワクチン(DPT-IPV)にも同じようなアジュバントが入っていますので、同時接種のときにより発熱しやすいということがあるかもしれません。

 しかし、アジュバントによる副反応は一過性で、発熱も大部分は1日以内に治まり、安全なものとして多くのワクチンに使われています。発熱だけを理由に接種を中止することはありませんが、今後の追加接種のときにも発熱する可能性があることは、念のため考えておいた方がよいと思います。特に注意が必要なのは、小児用肺炎球菌ワクチンと4種混合ワクチン(DPT-IPV)です。なお、生ワクチンにはアジュバントは使われていません。

 接種すると約1/3の子どもが発熱するので、「3回とも発熱する子は初めてだ」というほどめずらしいことではありません。しかし、発熱が長期間に及んで全身状態が悪化するようなとき、接種部位の異常な腫れがあるようなときには接種の中断も考えなくてはなりません。そのようなときにはかかりつけ医とよく相談して今後の接種を決めてください。